yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 12/14

皆さんこんにちは、航空会社フラリーマン裕坊です。

今月は機長の欠員をカバーするスタンバイシフトを敢えて選択した裕坊。ひたすら電話を待ちます。

 

最近では我が航空会社ではこういったiPhone用のアプリまで開発し、アプリ経由でスケジュールの変更も知らされるようになりましたので……

実際には直接乗務員管理部とお話をする機会も、かなり減ることに……

 

 

特に助かるのが、大雪や大型積乱雲などで、フライトスケジュールが大幅に乱れている時……

 

 

以前ですと………………

 

 

なかなかファーストフードすら手に入らないまま、

乗務員管理部に電話を入れて、順番待ちをすること、1時間はザラ………………

その電話の手間が省けるようになっただけでも、大進歩。iPhoneだと、アップルウォッチに連動させて、スケジュールの変更が来たことも分かります。

 

それで久しぶりに変更が入り、やっとフライトへ出るのかな、と思いきや……………………

 

 

 

12時間の呼び出しが、2時間への呼び出しに変更になっただけでした……

 

ただこのパターンだと、連絡が入ってからすぐに空港へと向かう必要がありますから、いつ呼び出されてもいいように、早朝から連絡が入ってもいいように、準備だけは整えておきます。

 

 

 

シャツをアイロンがけした後は、カバンの準備。着替えなどを入れるスーツケースに………

フライトクルーは外へと出る頻度がどうしても高くなりますから、壊れにくい素材のものを購入します。スーツケースは、上の写真のように金属のフレームでできていて、壊れにくいものを、クルー用品専門店から購入………

 

他には大抵コックピットに持ち込めるサイズのカバンが一つ、というのが典型的なパターン……

 

この中には…………

 

航空管制官との無線交信の際に必要となるヘッドセットに……


会社の規定やら、各空港の情報などが満載のタブレット。最近ではiPadを選択する航空会社が増えてきているようです…

 

そしてフライトの際は、それをカバンから取り出して、操縦桿の横にあるホルダーに据え付け。

各空港の情報を示すアプリなどは、着陸進入時に必要な進入経路や通過高度などの大切な情報が画面から消えないように、大抵画面はつきっぱなしになる機能が施されています……

 

 

おかげで電池の減りがめちゃ早い………………

 

 

タブレットに収められる情報は、会社からの規定の他に、各空港のレイアウトや滑走路への進入方法、出発経路でや到着経路などが満載………

 

アトランタ国際空港へ北東から入る場合の、到着経路の一つ……参考までに経路の一つを、青線でなぞってみました。

 

滑走路へとアプローチする際には、こんなチャートが役に立ちます。緑色の線が、実際の経路……雲底が低くて、上空から滑走路が見えない場合などは、このチャートを使うことによって安全に雲の中にいながらにして、滑走路へとアプローチが出来ます。

 

そして着陸後に必要になるのが、空港のレイアウト図。これに画面を切り替えて、ゲートへと向かいます。黄色い線は、着陸後のゲート到着までの一例…

 

定期的に空港の情報も更新されますが………

 

ボタン一つクリックしたら、3分とかからずに全てが更新される、スグレモノ……

 

現在タブレットに収められている情報は、かつては全て会社から分厚いマニュアルで供給されていました。このようなカバンに…………

 

大抵このくらいの厚みのあるマニュアルが、4冊から5冊。

 

以前供給されていた紙面によるマニュアルの見開きはこんな感じで……

 

定期的に更新される最新情報は、全て入れ替えが必要になりますから、多い時には1時間ほどを要したことも………

 

空港では着替えの入ったスーツケースに据え付けて、こんな様子で歩いていました。

裕坊が知る限り、現在はアメリカ国内の航空会社では、ほとんどがタブレットへと移行し、アメリカの空港においてこのようなフライトケースを見ることは、本当に稀になりました。

 

スーツケースもパイロット用のフライトケースも、大抵10キロから15キロはありますから、これを引きずり続けていれば、他に何もしなくても体は鍛えられます……

 

スーツケースは準備完了……あとは連絡待ちです。

 

裕坊