yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 11/26

皆さんこんにちは、航空会社フラリーマン裕坊です。

昨日までこの時期にしては暖かく穏やかなお天気だったミシガン州。4日間へのフライトが明日から入る裕坊は、今日が3連休の最後の日……………

 

愛妻ちゃんの車のハンドルを握って、整備工場まで。

前回オイルの交換は済ませていたのですが、そこで受付をしてくれていた男性係員…………

 

「そろそろ交換しといた方がええやろな。ブレーキパッド、残り数ミリやで」………………………

 

 

え、何とおっしゃいました……………?‼️

 

 

オイル交換から2週間と経たずに戻ってきて、ブレーキパッドの交換をお願いします。

普段はあまり日の目を見ることがないブレーキですが、乗り物には減速の手段を整えておくのはとても重要。

 

飛行機にも半端ない重量の機体を減速させる能力があるブレーキは備わっていますが……

飛行機の場合、もう2つほどの減速装置が減速機能に加わります。

 

一つ目がスポイラー。着地の瞬間に主翼の後ろ側から迫り上がるアレ……

着地の瞬間に迫り上がることによって、空気の流れを阻害し、減速を助けます。また主翼上の空気の流れを止めようとしますから、揚力が生み出されるのを阻害し、着地後の再浮揚を妨げる働きもあります。

 

さらにもう一つ、大切な役割を果たすのが逆噴射装置。

恐らく旅客機が着陸した直後、飛行機のエンジンの外のカバーの一部が開くのをご覧になった方も多いのではないかと思います。あれが逆噴射装置。

 

ジェット機、特に国際線用大型機材ともなると、通常のディスクブレーキだけでは負担があまりに大きいので、まずは着陸直後にスポイラーとともに使われ、減速に役立てられます。

原理自体は至って単純。飛行機が前進するのに使われるエンジンの空気の流れを逆にして、飛行機が後ろ向きへと進む力が働くようにするのです。

ジェット旅客機の着陸時の平均時速はおよそ230キロ。ジェットエンジンは構造上、速度が速い時の方が効率がよく機能するように出来ているのですが、これは逆噴射装置作動時も同じ。減速とともに効率も落ちるので、大抵時速100キロ前後にまで減速すると、逆噴射装置も格納させてしまいます。

 

愛妻ちゃんの車のブレーキパッドに要する時間はおよそ3時間ほど。しばらくはコーヒーを飲みながら、iPad詰将棋…………

 

それにしても、何で相手の王は逃げるのがこんなに上手いんだろう……………………

 

愛妻ちゃんはその間、息子くんを整形外科へと連れて行っていました。予約がどうやら『9時15分』だったらしく………………

車の整備の予約とこれでは重なってしまうので、愛妻ちゃんは今日は裕坊のセダンくんを運転………

 

昨夜は久しぶりに裕坊のセダンくんに乗り込んで、愛妻ちゃんの運転の練習…………

数年ほどそのセダンに乗っていた時期もありましたので、何となくは思い出して無事乗っていたようなのですが………………

 

帰ってきて一言ポツリ…………………

「予約、9時45分やったわ〜〜」

 

それなら3人で一旦整備工場まで行って、3人で裕坊のセダンで病院に行けたんやん………………

あー、でもちゃんと無事に帰ってきてたんやね………

 

夜になって………………

 

あれ、持って行ってたお茶がない………そういやまだ車の中に置いたままやった………

 

 

お茶が車の中でほとんど凍りかけ……………

よかった、まだ凍ってなかった………………

 

 

ん?………なんかガレージの中が明るい……………

 

 

よく見ると…………

 

セダンくんのライト付きっぱなしやん………………………

 

 

キーの位置がアクセサリーで止まったままになってました…………

 

エンジン明日かかるよな〜〜………………………

 

我が家のいつもの光景でございます…………………………

 

 

車の話題といえば、最近巷を騒がせているのは、何と言っても日産・カルロス・ゴーン会長の逮捕劇………

もちろん会社を私物化して、巨額の報酬を懐にした行為自体は許されることではありませんが、多くのニュースサイトでも取り上げられているように、今回の一件は日産のルノーによる完全子会社化を防ぐための動きだったのは間違いないでしょう。そのための内部告発

多くのニュースで既に指摘されているように、ゴーン氏が日産社長に就任した際は、日産は破綻寸前。ルノーやフランス政府の出資がなければ、今頃会社が存在しなかった可能性すらあります。その意味では、日産にとってゴーン会長は恩人……………

 

しかし、今の財務状況、販売状況などを探ってみると…………

 

時価総額ベースでの資産は日産が4.66兆円でルノーが3.48兆円。業績比較で見ても今の主従関係は完全に逆転しているのです。2017年の世界販売台数は日産がおよそ580万台でルノーは370万台。売上高に至っては日産が11.8億兆円に対してルノーは7.8兆円。

いろいろ情報を探っていると、日産車、ルノー車の部品共有を進め、経営統合の名の下、日産車をルノーブランドで販売したいというフランス政府の思惑があったようですね。ここ最近顕著になっていたゴーン・フランス政府の結託の元で、ルノーによる日産の利益の搾取を加速させかねないところでした。これを阻止する動きだったと考えるのは、至極当然のことだと思います。

 

日産のルノー保有率は15%、ルノーによる日産の株保有率は44%。現在の体制ですと、なかなかフランス政府の企図を阻止するのは困難を極めますが、日本を代表する自動車会社を何とか日本企業として守り続けていただきたいです。

 

明日から裕坊は4日間のフライトへ出発します。