yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 7/1

皆さんこんにちは、航空会社フラリーマン裕坊です。

稲妻に へなへな橋を渡りけり (小林一茶

雷の ごろつく中を 行々し (小林一茶)………………………

あぁ〜〜、裕坊の今の気分を、よく表しとるわ…………………

本格的なゲリラ豪雨の時期になり、アメリカの北部に当たるミシガン州でもときどきこうしては前が見えなくなるほどの豪雨が襲ってきます。

 

実は今日は愛妻ちゃんと息子くんの帰国日。既に夏休みに入って1週間以上が経ち、1年間頑張ったご褒美も兼ねてしばらく再充電すべく今日から一時帰国。福利厚生の一つでもあるスタンバイフライトを使って夢の国へと向かいます。満席のときは乗れない時もあるので、愛妻ちゃん、今朝から胸がザワザワする、と大騒ぎ。けれどもいざ座席指定を発行してもらうと嬉々として機上の人になり、日本へと向かっていきました。

裕坊はセキュリティーの入り口までお見送り。帰りにお弁当などを日本食材店で購入して我が家へ帰ってきましたが、家路に着くときの裕坊の頭の中といえば……………………………

『じみ〜 じみ〜 じみな帰宅は………… 真っ暗な我が家へのきたく〜 真っ暗な我が家へのきたく〜…………』(嘉門達夫さんの 「地味と派手の歌」を拝借)

そのあとお天道様が裕坊の心を見透かしたように大雨を降らせて………………………………その大雨、稲妻を伴って10分ほど激しく降り続き…………………………………………ただ雨を降らせていたエリア自体はそこまで広くなかったせいか、

その後は何事もなかったかのように、カラッと晴れ上がってました…………………

この稲妻を伴う大雨、英語でいうところのサンダーストーム、これが海上で発生し大量の水蒸気を吸い上げ、大型に発達して出来るのが熱帯低気圧。さらにその熱帯低気圧内の最大風速が17メートルを超えると台風と呼ばれるようになり、日本では台風◯号などと呼ばれるようになって、ニュースに取り上げられるようになります。今回も台風7号が日本に近づいているようですね。皆さん、是非気をつけてください……非常用の食料、水などの準備、避難場所の確認など事前準備を怠らないように、是非お願いします。

さて1人家にぽつんと残された裕坊。有給まではあと1カ月。次の4日間のフライトは今度の火曜日からで、そのあとは4日間飛んでは2日間お休み、また4日間飛んでは3日のお休みといったパターン。今は体もそこそこ元気でヒマさえあれば休日返上出勤を目論む裕坊ですが、旅客機のパイロットでいられるのはどんなに健康であろうとも65歳まで。65歳のお誕生日が旅客パイロットの強制引退年齢。

アメリカではそんなとき、ウォーターキャノンサリュートと呼ばれる噴水で引退お見送りのお祝いをしてくれます。英語でウォーターはご存知、水、キャノンとは大砲、サリュートとは軍隊でよく使われる挨拶。右手を上げて、手をおでこに当てる、例のやつ。このウォーターキャノンサリュートアメリカではしばしば見られる光景で、新規路線の初日の初フライト、新規導入機の初フライトなどの記念行事の際によく見られる光景ですが、ベテランパイロットの引退記念でも行われることがあります。

実は裕坊も副操縦士時代、20年に渡って一社で長く勤めてきた機長の引退記念のフライトに当たったことがあり、そのときは裕坊が当時所属していたメンフィス空港で誘導路の両側に消防車が出ていて、派手に噴水を上げてくれました。その機長さん、数年ではありましたが、連邦航空局・メンフィス事業所のパイロット監査人を勤めていた時期がありました。これって天下りならぬ天上がり??

 

そして引退後、どう人生を過ごしていくかが、裕坊にとっての課題。充実した老後を送っていくためにはお金も大事ですが、人間関係、趣味など視点をいろいろと広げていかなくてはいけません。取りあえず家事はまぁ一通りはできるようになった…………………

趣味は…………ゴルフをもうちょっとうまくなって、

というより人に迷惑をかけん程度には回れるようになって………………………あともう一つ何か欲しいなー………………………と画策中………

釣りも面白そうだし、

朝早く出かける趣味にはもってこいだし…………でも家にいながらにしてできることもなー、ピアノか……………………………

ギターか……………………………

取りあえず両方とも買ってはみたものの、最近ほとんど触ってないし……………

あと人脈も広げていかないとなー……………本田技研工業の創業者、本田宗一郎さんは言いました。「現役の頃は金儲けできることが財産だと思っていたけど、引退してみるとやっぱり友だちこそが1番の財産なんだよなあ」…………………

この言葉、本当に裕坊の心にしみます。心からそう思います。

 

あともう1日お休みをいただいて、火曜日から4日間のフライトへと出発です。

裕坊