yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 5/19

皆さんこんにちは、航空会社フラリーマン裕坊です。

今朝はゆっくりと寝かせていただきました。少し体力が回復。今日は夕方ゆっくりの出発。担当便は2便。ここオハイオ州(正確に言うと空港が位置するのはオハイオ川の南になるので、州としてはケンタッキー州になりますが)シンシナティを出発して、まずはデトロイトまで。飛行機をデトロイトで乗り換えて、次に向かうのがコネチカット州ハートフォード

ここシンシナティは、かつてリージョナル航空業界における花形と言われたコムエアーという会社の元本社の所在地がありました。1977年に小さな10人乗りのプロペラ機で始まったオハイオ州の航空会社、やがてはジェット機を所有する航空会社になり、デルタ航空専属の下請けの航空会社として、航空業界へと足を踏み入れたばかりのパイロット達の憧れの就職先。

シンシナティ空港は現在はAターミナルとBターミナルの2つだけの供用。かつてはCターミナルが存在し、コムエアー専用のターミナルとして一時はすごい数の往来がありました。既に数年前に解体されて、そのCターミナルは今では面影すらなし……………

コムエアーのパイロット達、2001年にリージョナル航空会社として初めてストライキを敢行。大幅な昇給を勝ち取ったものの、そのストライキはおよそ3ヶ月にも及び、デルタ航空の運航に多大な影響を与えることに。その後のデルタ航空とコムエアーとの関係は次第に微妙になり、直接の子会社としてコムエアーを所有していたデルタ航空は、他社への売却を検討します。けれどもリージョナル航空業界で圧倒的に人件費の高かったコムエアーを買収する会社はなく、2012年7月にコムエアーの閉鎖をデルタ航空は発表。その2ヶ月後の9月29日にコムエアーは閉鎖。パイロット達は次の職を求めて、あちこちへと散らばって行きました。

実を言うと、裕坊そのコムエアーの所有していたコムエアーアカデミーというフライトスクールの出身。ディズニーワールドで知られるフロリダ州オーランドからちょっと北へ車で30分ほど走ったサンフォードという小さな町の空港にセスナがいっぱい止まっている小型機中心の空港にて訓練を受け、その後は飛行教官としても2年半を過ごしました。

デルタの傘下を離れた裕坊の母校、今では名前をエアロシム・アカデミーと名前を変え、訓練機も最新式のシラスへと置き換えてたくさんのパイロットの卵たちを育てています。

コムエアーの本拠として昼の間の飛行機の往来が忙しかったここシンシナティ空港。現在では徐々に夜の主役になりつつあります。旅客航空の忙しい時間帯がお昼なのに対し、貨物航空の忙しい時間帯といえば逆に夜間。ここシンシナティには空港の南側に大きな貨物機専用の駐機場があり、DHLやUPS、最近ではネット販売の大手のアマゾンが所有するプライムエアーという新しい航空会社のジェット機の往来がかなり増えるようになりました。

今のネット世代では恐らくほとんどの人がお世話になっているアマゾン。そのアマゾンのロゴが機体後方の尾翼に描かれているのがよく見えます。主要都市向けのフライトは、ときどき昼間でも離発着のあるこのプライムエアー。日に日にその存在感を高めています。

裕坊の有給休暇が始まるのは来週の火曜日。今日と明日、合計で4便を担当したら1週間のお休み。今日は2便を担当で、まずはデトロイトへと69人乗りのCRJ700型機で向かいます。

 

裕坊