アメリカの地域航空会社で小型旅客機に乗っている、裕坊といいます。こんにちは。
国内線が中心のアメリカのリージョナルジェット機の乗務員。2割から3割ほどが、欠員補充要因としてスタンバイ(大抵入社してからの経歴が浅い乗務員が充てがわれることが多いです)。それ以外は1ヶ月のスケジュールが確定していて、通常は4勤3休、もしくは5勤4休のパターンになることが多いです。
裕坊は、月曜日から4日勤務のフライトへと出勤。出発はこちら、デトロイト空港から……けっこうな賑わいを見せるデトロイト空港・マクナマラターミナル。アメリカにおける航空旅客の国内需要の回復ぶりは、しっかりとした足取りを辿っているのを感じるようになりました。
全米で航空旅客需要が100万人を超える日も多くなり、空港内で乗客の方が忙しく行き交う光景を見ることも多くなっています。 デトロイトはデルタ航空の拠点となる空港の1つで、
乗り継ぎのお客さんも多く利用するので、早くから賑わいを見せていましたが、
週末ともなると、コロナ禍前とほとんど変わらない盛況ぶりを見るようになりました。
ちなみに国際線では、渡航先となる国での規則に従って、一部でコロナ検査も実施されています。
デトロイトからですと、アムステルダム行きに搭乗する際に、検査が必要になるらしいです。
新たな壁が立てかけられて出来上がった、即席のコロナ検査所。
昨日月曜日はそのデトロイトから、メリーランド州のボルチモアへの往復便も担当しておりました。
大盛況……
裕坊が担当したデトロイトからの往復便でも、50名前後の乗客と、現在の上限ほぼいっぱい…
3月9日(火)現在でも、デルタ航空管轄内の旅客便は、客席数に対しておよそ75%を目処に上限を設けて運航中(4月いっぱいまで継続の予定です)。最近では上限いっぱいになって、後続の便への振り替えすら出るようになりました。
コロナ感染が急拡大して、乗客の方の姿が全く見えない時ですら、継続して営業を続けてきてくれていました。裕坊も何度もお世話になっています。
最近では次々とファーストフード店も営業を再開。こちらのお店も、昨年末から開いております。
このサンドイッチ屋さんの営業日は、火曜日と土曜日を除く、週5日。
ちなみにこちらでは、 バハ(Baja)サンドイッチを購入。
バハというのは、どうやらメキシコの北西部にあるバハ・カリフォルニア半島(太平洋とカリフォルニア湾を隔てる、およそ1,247キロほど伸びる半島)から来ているらしいです。
チポトレーソースと鶏肉の相性が最高でした…
客足が戻ってきているとはいえ、まだコロナ感染そのものが収まっているわけでは決してないアメリカ。
各便出発前の消毒作業は、今も続けられています。
消毒で使われているのは、この噴霧器。
清掃員が運んできて、スプレーをしてくれるのですが、通常その前に清掃作業が入るので、噴霧器がこのように投げられたままになることもしばしば…
消毒用の液体が入るので、やっぱり重たいらしいです…
まだまだ州によっては、数千単位での感染が続いているのですが、以前に比べればその数も収まってきている、さらにはワクチンの接種も進んでいる、ということで、コロナ禍前に戻ろうとする方向へとアメリカは完全に舵を切っています。
客足の戻りを考慮し、フル稼働へと体制を整えつつあるアメリカの航空業界。既に格安航空会社のスピリット航空やフロンティア航空では、新規のパイロット採用も始まりましたが、我がエンデバー航空でも採用が今月から始まることになりました。格安航空会社や貨物航空会社への流出も見込んでいますので、相当数の採用になる見込みだそうです。
ただお隣の国といえども、一旦アメリカの国外へと出ると、コロナへの対処には大きな温度差を感じます。
昨日月曜日は、デトロイトからすぐのカナダ・トロントまでやってきたのですが、 ボルチモア行きが、往復とも上限ほぼいっぱいとなる50名のお客様の搭乗だったのに対して、
こちらは13名。
しかも国内線を含めても同じ時間帯で到着していたのは、裕坊が担当していた便のみ……
空港の動きそのものが、完全に止まっていたような印象でした… 今までであれば国際線で到着後は、入国検査を受け、特に問題なければそのまま出口へと向かっていたのですが、
現在は国際線を利用してカナダへ入国する際には、コロナ検査が義務付けられるんだそうです。
通常はお迎えの人たちの待合用に使われているスペースが、コロナ検査場へと早変わりしておりました。
ここで検査を受けて、まずはホテルで3日間の自主隔離。
その後、陰性と診断された場合は、制限付きで外出が許可されるようになるらしいです。但し10日後に自主的に検査をもう一度行い、陰性であることを証明する必要があるのだとか……
ガランとした国際線到着口。
カナダ最大の都市であるトロント。
普段であれば、かなりの賑わいなのですが、 昨日はひっそり…
やっとホテルの送迎シャトルがお迎えに来た、と思いきや…
どうやら自主隔離が必要になる、国際線到着の乗客専用のシャトルだったらしく、
もう1台待つことに……
そこから待つこと約15分…
やっともう1台のシャトルバスが姿を見せて、ホテルへと向かいます…
聞いたところ、このシャトルバスは航空会社乗務員専用なのだとか…
この辺りの徹底ぶりは、カナダならでは、と感じました。
乗っていたのは、我々4人だけ…
去年の3月の感染拡大初期を思い出させるひっそりぶり…
ホテルもまだまだ稼働率は低いままだそうです。
翌日火曜日は夕方の出発。
ちなみに、デトロイト行きとなったその便も、乗客は13名でした。
ただウィンターバードと呼ばれる、避暑地を求めてのお客さんの客足は徐々に戻りつつあるんだそうです。
今はガランとした駐機場にも、賑わいが戻るのもそう遠くはない、と思いたいです。
裕坊にとって思い入れのある土地、メンフィスへと宿泊しています。
3月9日(火) 担当を終えた便
デルタ4667便(EDV 4667)トロント(YYZ)− デトロイト(DTW)
デルタ5445便(EDV 5445)デトロイト(DTW)− メンフィス(MEM)
3月10日(水) 担当予定便
デルタ4775便(EDV 4775)メンフィス(MEM)− ミネアポリス(MSP)
デルタ4944便(EDV 4944)ミネアポリス(MSP)− ファーゴ(FAR)
デルタ4944便(EDV 4944)ファーゴ(FAR)− ミネアポリス(MSP)
デルタ5083便(EDV 5083)ミネアポリス(MSP)− グリーンベイ(GRB)