yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 2/19

アメリカ国内線が中心になる、小型旅客機操縦担当の、裕坊といいます。こんにちは。

今週は月曜日から、久しぶりとなる6日間の連休をいただいています。

 

昨年3月から爆発的に起こった、アメリカ国内におけるコロナウィルスの感染拡大。あれからほぼ1年……その当時のニューヨーク州などでは、病院の集中治療室が劇的に不足して、各病院の通路や事務所までが集中治療室へと早変わりし……

 

死者も急増して、遺体を安置しきれなくなった病院には遺体一時保管用の冷凍トラックが横付けになって、そちらに収容されるなど、それはそれは凄まじい惨状をくぐり抜けてきました。

 

航空会社への影響も、想像を絶するほどに甚大……

 

旅客機からも旅客ターミナルからも、乗客の姿が “消え“ ……

 

航空便は軒並み欠航……

予定通りした運航した便といえども、乗客数はほとんどが一桁台……

 

各航空会社は、1日あたりの赤字額が天文学的な数字を記録することになって、余剰になった機体を一時期駐機することになりました。

 

その影響で、各航空会社でも保有する機種の整理を敢行…

デルタ航空では、同社の顔でもあったマクドネル・ダグラスシリーズの旅客機や、

 

最長不倒の航続距離を誇っていた、ボーイング777型機などが全機退役……

機材整理が、前倒しで実施されることになりました。

 

ただコロナウィルスの拡大は、アメリカ国内では徐々に鈍化しつつあり、カリフォルニア州では今年初めには1日の新規陽性診断者が4万人を超えて、医療機関も一時は逼迫する状態になりましたが、

現在では1日平均5,000名台に落ち着いてきています。もちろん、それでも高い水準にあることには変わりませんが……ミシガン州でも多い時には1日6,000名を超える日もありましたが、最近では平均で1日500名ほどと、コロナウィルスに関してはかなり状況は改善してきました。

 

デルタ航空の子会社であるエンデバー航空の、2月の運航便数の1日平均は711便。これはコロナ禍前の冬の平均便数902便に対して、およそ8割ほど。

先日のフライトでは、冬の中休みを利用して旅行に出かける家族連れのお客様も多く、現在の搭乗数上限(客席数の75%)いっぱいで出発する便も多くありました。

 

来月の裕坊自身のスケジュールも、それに呼応するかのようにやや過密気味になり、休日日数は今月に比べるとかなり減っています。

客室乗務員の採用は、今年の年明けとともに既に再開。パイロットの採用も期間を限定した上で、定期的な採用を実施。今年の末までに120名ほどの採用を予定しているそうです。

 

貨物航空会社は、増収増益により採用が本格化していますが、格安航空会社の一部でも需要の本格回復に手応えを感じ始めているのでしょう。格安航空会社は、老舗の大手航空会社に比べるとビジネス利用より一般旅行客の利用の比重が高いので、その分手応えを感じているのかも知れません。

 

フロリダ州に本社を置くスピリット航空や、

 

コロラド州デンバーに本社を置くスピリット航空などでは、

 

2月中旬からの採用が、本格的に再開することになったらしいです。

ビジネス利用はまだ弱含みながらも、一般の旅行移動による利用にはかなりの手応えを感じているのではないか、と思います。

 

 

ただ現在のアメリカ大陸を見てみると、テキサス州ルイジアナ州を始めとして、アメリカの南部の州では普段経験することがない大寒波に見舞われて、各地で停電が発生。また軒並み氷点下の気温を記録して水道管が破裂し、飲料水が確保できなくなるなどの事態も…

最低気温は一番低かったところで氷点下22度を記録するなど、観測史上最低の気温を更新したり、120年以上ぶりの最低気温になったりなど、到底南部とは思えない大寒波に見舞われています。

 

ちなみに氷点下20度以下ともなると、寒さに慣れているミシガン州といえども学校が休校になってしまうほどの寒さ……

エンデバー航空の南部向けの旅客便も、実はルイジアナ州を中心に、今日金曜日までずっと欠航が続いておりました。

 

激しい降雪や厳しい寒波に見舞われて、特に激しい雨氷が降り出すと滑走路は簡単に凍結…

そうなると、ミシガン州の除雪隊のような腕をもってしても、滑走路を離着陸可能な状態へと整備するのは、簡単なことではありません…

 

2年前の2019年の1月末には、デトロイトでは激しい雨氷に見舞われておりました。この時は2日間連続に渡って、デトロイト空港ごと閉鎖になるほどの事態にまでなることに…

 

離陸時は少々滑走路の路面が滑りやすくても、方向舵でなんとかごまかすことが可能ですが、着陸時は機体の重量を支えるタイヤのグリップ力が大きなカギ…

着地後の方向性を保つことができないと、飛行機は簡単に滑走路を逸脱してしまいますから、氷が張った滑走路には着陸しないのは、パイロットにとっては大原則。この1週間の南部の相次ぐ欠航も致し方ないです。

 

各地で水道管の破裂したり、大規模停電が続いていたり、異常事態が続いているアメリカ南部…

しばらくは、日常生活への復旧に時間がかかりそうです…

 

このお休みといえば、裕坊はといえば特に何もせず……

 

やったことといえば、激しい風を伴うブリザードのような降雪を、窓からぼんやりと眺めて、 翌朝こちら電気式の雪かき機くんにご登場願って、雪かきをしたことくらい……

 

やっと “ミシガン州らしい“ 冬が訪れました…

 

ただそんな中で、ちょっと体の不調が気になっていましたので、病院で診察も…

 

その翌日はレントゲンと超音波による診断…

 

ありがたいことに特に異常はなく、数週間後には痛みも消えるだろうとお墨付きをいただき、

 

やれやれ…

 

 

 

 

 

 

もう1日お休みをいただいて、日曜日に出勤の予定です。