yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 12/27

アメリカ国内を、小型旅客機で中短距離路線を担当している、裕坊といいます。こんにちは。

クリスマスイブ、クリスマスと2日間のお休みをいただいて、今年の締めとなる5日間勤務のフライトに出勤しました。

 

今年のクリスマスはイブの遅くから雪が降って、ホワイトクリスマス。

 

イルミネーションも、雪の中でとても映えておりました。

 

本当ならこんな日は……

窓の外で降りしきる雪を眺めながら、幸せを噛みしめるのがいいのでしょうが……

 

 

裕坊のクリスマスの過ごし方といえば…………

 

 

食うか……

 

寝るか……

ちなみに今年は、どちらをも叶えてしまいました……

 

もしこれでお酒類を受け付ける体だったとしたら……

こんな感じになっていたのは、間違いないでしょう………

 

サンタさんもお怒りやったやろな💢💢………

 

 

 

気を取り直して………

 

 

 

クリスマス翌日のお昼下がりに出勤。5日間のフライトなのですが、4日目は宿泊滞在だけで担当便が入ってないので、実質は4日間。

 

セキュリティーを通ったばかりの光景。

アメリカではクリスマスを過ぎても、年が明けるまではリースもツリーも飾ったままにしているところが多いです。

 

年末の締めとなる5日間勤務のフライトは、「デッドヘッド」と呼ばれる客席の乗っての移動からでした。

デトロイトから、お隣オハイオ州の州都、コロンバスまで。

 

コロンバスでは、裕坊がよく通っているオススメのラーメン屋さんの支店ができる予定になっているのですが、このコロナ禍の中で、どこまで準備ができているのやら……

そして暗くなってから、ミネアポリス行きを担当。

 

オハイオ州でも雪がけっこう降っていたようで、駐機場付近はかなりの雪で覆われていました。

滑走路や主な誘導路は除雪車がすぐに作業をしてくれるので、あっという間に雪も片付くのですが、駐機場付近ともなるとスペースの関係もあって除雪車が入れないので、どうしても雪がかなり残ります。

 

 

そして昨日は、裕坊にとってこの冬初めてとなる、出発前の飛行機の除氷作業を行いました。

 

飛行機の翼面は角度からデザインまで、飛行機が空を飛ぶのに必要となる揚力を生み出すために、航空力学を緻密に計算された上で作られているので、

 

ちょっとした障害物が付着しただけでも、大きく揚力は損なわれてしまいます。

たとえ雪や氷といえども例外ではなく、機体全体を付着物なしの状態にしておかなくてはいけません。

 

裕坊が以前乗務していた、50人乗りのCRJに付いていた氷の様子。

 

こんな状態ですと揚力そのものがほとんど生まれないので、空に飛び上がることすらできません…

 

そんな時に行うのが除氷作業。

専用のトラックから、係員がホースを機体に向けて除氷液を撒きます。 使われるのはグリコールが主成分となっている粘性の高い液体。除氷液の種類に寄って色分けがされています。

 

左側のオレンジ色の液体、タイプ I となっているのが、氷や雪などを溶かすのに使われる液体で、大抵は液体を温めて使って作業効率をよくすることがほとんど。

1番右側の緑色のタイプ IV は、降雪が続いているときなどに、主翼上面などに作業後積もった雪を離陸滑走で振り落とすために、防氷の目的でかけておく液体。ちなみにアメリカの旅客航空業界では、タイプ II、タイプ III と呼ばれる液体は、ほとんど使われてないです。

 

緑色のタイプ IV は、一旦除氷作業で雪などを振り払ったあとにかけられ、離陸を準備……

 

降雪が続いているときに、主翼上面が緑色になるのはそのため。

 

これで少々の雪でも離陸が可能……

ただ積雪が激しい時は、この液体といえども効果が数分しか持たなかったりするので、早めに離陸することが肝要になってきます。最もブリザードのようなお天気になると、まずフライトそのものが欠航になってしまいますが……

 

ちなみに上空で飛行機が氷結しそうになった時は……

 

エンジンから取り入れられた圧縮空気の一部を使って、溶かします。

圧縮の過程で既に温度が上がっている空気を使い、温度を調節しながら主翼の前面などに空気を送り込みます。温度は50度前後に保たれることがほとんど。これなら、主翼にもダメージがなく、効率よく融氷もできるという仕組み。冬場で活躍する、飛行機のシステムの1つです。

 

コロンバス空港で、機体の除氷作業を終えて、

 

やってきたのがミネソタ州ミネアポリス

数日前にブリザード級の積雪があったばかりで、地上にもかなりの雪が残っておりました。

 

そのあとミネアポリスから、車でおよそ1時間ちょっとのローチェスターには、夜遅くの到着。

ちなみに今回の5日間のパートナーとなる副操縦士は、この地域の生まれ育ち。ホテルに向かうことなく、嬉々として親の元へと向かっておりました。

 

ホテルの送迎シャトルの運転手が確保できなかったらしく、昨日はタクシーにてホテルまで。

 

 

 

先週にかなり似たパターンのフライトをこなす2日目は、またも遅い出勤です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

12月27日(日)担当予定便

デルタ5351便(EDV 5351)ローチェスター(RST)−  ミネアポリス(MSP)

デルタ4987便(EDV 4987)ミネアポリス(MSP)−    メンフィス(MEM)

12月28日(月)担当予定便

デルタ4751便(EDV 4751)メンフィス(MEM)−  ミネアポリス(MSP)

デルタ4744便(EDV 4744)ミネアポリス(MSP)−  ファーゴ(FAR)

デルタ4744便(EDV 4744)ファーゴ(FAR)−  ミネアポリス(MSP)

デルタ4818便(EDV 4818)ミネアポリス(MSP)−  ルイビル(SDF)