yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 11/14

アメリカの地方路線を、小型旅客機で飛んでいる、裕坊といいます。こんにちは。

3日間のお休みを経て、明日日曜日から次の出勤です。今度は5日間連続です。

 

我が社の場合、出勤する時は4日間のフライトが主流ですが、時々5日間のスケジュールが組まれます。長く家を留守にすることになるので、初日は「やや遅めの」出勤で、最終日は「やや早め」に終わるのが特徴……州外から『飛行機』で通勤する乗務員が、当日家を出発しても何とか間に合うようにという、契約の中での会社側の配慮。

平均的には、午後2時台に出勤というパターンが多いです。中には午後7時台のフライトで始まる、なんてことも……

 

最終日の勤務終了は、だいたい3時台。これなら州外から来ていても、大抵はその日のうちに自宅まで帰れます。

5日連続でフライトをこなすと、最低限25時間分のお給料を保証してもらえる契約になっているので(4日間だと、平均でおよそ18時間)、州外から通勤している者は、5日間のフライトに入札をする者も多いです。

 

ただ州外から飛行機を使って通勤をするとなると、朝早く起きないといけないので、どうしても初日は長い1日になりがち……

さらには、シカゴやミネアポリスなどからデトロイトへ通勤するとなると…

 

通勤している時に、1時間時計を早く進めないといけないので、 起きる時間は、さらに早くなります…

ですので「通勤中の機内での時間」は、州外通勤の乗務員にとってはけっこう貴重だったりします……明日からパートナーとなる乗務員が、どこから通勤してくるかは、今は知る由もないのですが……もし「飛行機通勤」をするのであれば、

 

こんな通勤になったり、

 

こんな搭乗になっていないことを、ひたすら祈るのみ……

 

 

この3日間のお休みでは、パイロット全員に義務付けられているオンライン教育の教材もこなし切りました。

 

アメリカの定期航空会社で乗務するパイロットたちには、業務内容のおさらいをするため、年に一度の座学研修が連邦航空局によって義務付けられているのですが、

研修方法はコロナ禍よりもずっと以前から、大幅に変わってはきていました。年に一度集中的におさらいをするよりも、頻繁におさらいをしていた方が、学習効果が断然高いと気付いた連邦航空局。以前はみっちり1週間研修施設で受講していたのが、2日に短縮され、

 

その代わりに、定期的なオンラインによる研修課題が出されるようになっています。

内容もさまざま……

 

エンジンについて勉強することもあれば、

 

航法が出てくることもありますし…

 

お天気のことや、

 

一般の安全論についてなども…

連邦航空局が作成したスライドを見ることもあります。

 

最近は、操縦室内でも使用しているタブレットも、会社で支給されたものを使用していますので、

そのタブレットにアプリをインストールして、あとはインターネットに繋がる環境であれば、どこででも好きな時に講習を受けることが可能。

 

最近はコロナ禍の中、我が社でも無給休暇を募集していて、およそ5%ほどの乗務員が休暇を取得しています。長期の休暇を利用して、

大きな山のてっぺんで研修を受けようが、

 

見渡す限りの海の上で勉強をしようが、

課題さえこなせれば、問題は全くありません。

 

ただしインターネットの環境だけは、ちゃんと整えましょう……

 

我がエンデバー航空では、3ヶ月に一度の出題で、15ほどの課題が出されます。

期限は2ヶ月間……10月に出されていた課題も全部で15。昨日こなし切って、ホッ。次の課題の出題は、年明けの1月。その1月にはオンラインによる座学の研修が入るので、しばらく勉強の日は続きそうです。

 

 

タブレットで休み休みニュースなどを検索していると、大勢が判明しつつあるアメリカの大統領選挙の話題が嫌でも目に入ります。バイデン氏が306名の選挙人を獲得して(トランプ氏が232名)、ほぼバイデン氏の勝利は確実な情勢。ところが、まだまだ選挙戦は『一部で』続いているようです。

今日土曜日、トランプの熱狂的支持者が、首都ワシントンに集結してのデモを行ったのだとか……

 

プラウド・ボーイズ』や『オース・キーパーズ(Oath Keepers)』などの極右の集団も集まり、かなりの規模になっていたそうです…

メディアニュースなどを見ていても、共和党支持者の中では、10人に1人しかト バイデン氏の勝利を認めていない、という報道すらありました。

 

アメリカという国は本当に広いので、メディアで報道されるニュースであっても、実際にはなかなか身近に感じられないことも多いのですが、

今回の大統領選に限っていうなら、その雰囲気は裕坊の肌身にも直に伝わってきています。

 

多いのは、やっぱりフェイスブックなどのソーシャルネットワーク

我が社の同僚、元同僚の中にも、中西部出身には超がつく保守派が多く、中にはフェイスブックのプロフィール写真に、トランプ・ペンス(大統領と副大統領)のロゴを掲げた写真を堂々と掲載しているのもいます。

 

ここにきてトランプ大統領自身がすっかりトーンダウンした中にあっても、トランプ氏の敗北を支持者たちは金輪際認めておらず、

 

開票作業のやり直しや、 選挙そのもののやり直しを求める声まで……

 

その共和党支持者の間で、格好の標的になっているのが、この選挙システム『ドミニオン・投票システム(Dominion Voting System)』

 

一部のニュースサイトでは、この投票システムの動作環境などを公開して、今年の大統領選はとても全てがスムーズにいったという報道もありましたが……

でもこの投票システムを採用していたペンシルベニア州ジョージア州ネバダ州、ノースカロライナ州などでは、最後の最後まで開票が終わりませんでした……同じく採用していたミシガン州ウィスコンシン州では、集計違いがあったことを、州選挙管理委員会が認めたばかり……

 

何が本当なんやろ……

ただもし集計ミスなどが発覚した場合でも、74名にもなる選挙人の数が覆すことができるのか、となると………トランプ氏が現在厳しい状況に置かれていることだけは、間違いなさそうです。

 

 

 

明日はお昼過ぎの出勤予定です。