yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 10/17

アメリカの小型旅客ジェット機に乗っている、裕坊といいます。

今週火曜日に出勤して始まった5日目、土曜日は最終日でした。

 

3便を担当して裕坊が所属する拠点空港デトロイトへと到着して任務終了。

この5日間での合計の担当便は18……到着ゲートはB1。

 

本数は多く、しかもかなりの頻度で飛行機を乗り換え…

空港じゅうをひたすら走り……

 

風には1週間煽られ続けて、飛行機の中では暴れまくり……

 

走る〜走る〜、俺〜た〜ち〜♫

流れ〜る汗もそのま〜ま〜に〜♫♫

 

爆風スランプさんの曲が、ひたすら頭を駆け巡り……

 

やっと汗拭けた……

頑張りました……

 

人がいなくなったボーディングブリッジを上がり、

デトロイト空港では、デルタ航空が管轄するフライトは、南側にあるマクナマラ・ターミナルからの発着。

 

3つあるコンコースのうち、BコンコースとCコンコースからですと、

メインターミナルであるAコンコースとの行き来には、トンネルをくぐります。

 

操縦して帰ってきたばかりの飛行機を見ながら、エスカレーターを降り、

従業員専用駐車場へ向かいます。

 

国際線到着階のターミナル入り口がバス乗り場。

一部を除くと、国際線は大半が運休したままですので、国際線到着口はここ最近はずっと閑散としたまま…

 

これがバス停。ほぼ10分おきの運行。

ちなみにバス専用の停留所に車を止めていると、たとえ数分といえどもあっという間にレッカーされてしまうので、注意しましょう……

 

こちらのレッカー車は、拳銃持ちのゴツい体の警察官とともに一緒にやってくる上、たいてい問答無用でハンパない罰金を取られます…

レッカーされる前に、帰宅を急ぐ従業員の冷たい視線が、まず最初に飛んできますが……

 

こちらが従業員専用駐車場……乗務員を含む、各従業員が止めている駐車場なのですが、ターミナル隣接の立体駐車場への駐車が、従業員にも許可されるようになって、

止まっている台数は、1番多かった時期に比べると、5分の1ほどにまで減りました……

 

既に1系統のバス路線は運休していて、これ以上バス運転手さんの仕事がなくなるのは見たくない…… ということで、時間に余裕がある時は、今も裕坊は屋外駐車場へと止めています。裕坊1人が停めたところで、実際には何も変わりませんが…

 

ちなみに、従業員駐車場からのもう1系統のバスは、B、Cコンコースなどの地上係員の事務所へと直接向かうバス。濃紺の車体が特徴。

大抵軽装でやってくる地上係員だけが利用するバスですので、低床式ではなく通常のバスが使われるのですが…そちらの系統のバスはただいま運休中……

専用道路も、現在では荷物運搬カートに通せんぼされて、通行すらできなくなりました……

残念ですが、これが現実です…

 

 

そんな中今週の火曜日には、親会社であるデルタ航空の、2020年第3四半期の決算の発表がありました(写真はデルタ航空最高経営責任者エドバスティアン)。

概要としては、

・調整後収入:26億ドル(前年同期比79%減)

・営業損失:26億ドル

・コロナウィルス関連の特別損失:40億ドル

保有現金額:21億6千万ドル

などなど……

 

裕坊自身が1番気になっていたのが、1日あたりの赤字額……第2四半期の決算の際には、6月度1か月間での1日あたりの平均赤字額は、2,700万ドル(日本円で28億円)だったのですが、9月度の平均1日あたり赤字額はというと……

 

 

1,800万ドル(およそ19億円)。

 

 

状況は少しずつ改善はしている、と見ました。ただ急激な旅客数の回復が見えていた6月頃に描いた、年末までの損益分岐点への回帰は、ちょっと困難な情勢になっています…

 

9月中旬まで、デルタ航空の管轄便においては、ソーシャルディスタンスを確保するため、客席全席分は航空券を販売せず、客席数に対して6割を上限にしての運航を続けておりました(9月下旬より、上限を7割に引き上げています)。そんな中、早期退職制度、一時的自主無給休暇を募集したところ、一定の応募数があったようで、地上職、整備課、客室乗務員に関しては、強制的一時雇用保留を避けることができたのは、朗報でした。パイロットも1,900余名の余剰がありながら、10月を皮切りに予定していた一時雇用保留を凍結。恐らくパイロット組合と会社との間で、交渉が進んでいるものと思われます。

 

 

ちなみに、この5日間で裕坊が務めた18便における総乗客数は、686名でした。裕坊が乗務するのは、主力はCRJ−900型機で、座席数は76。それに対して、現在の客席販売数の上限は52。計算したところ、現在の客席の上限に対する搭乗率は73%。ほぼ満席になる便も数便あり、裕坊的にも中短距離路線における客足は少しずつ戻ってきている手応えは感じています。

 

ただ感染拡大自体は、まだ到底収まっているとは言い難い状況ですので、感染拡大防止の危機管理は必要ですが……

 

ビジネス需要の回復がなかなか見られない中、フロリダを中心とするリゾートへのフライトは、大盛況のようで、我がエンデバー航空でも拠点強化空港に指定されている、シンシナティ空港、ローリー空港(ノースカロライナ州)から、フロリダ州の各リゾート地、オーランドやフォートマイヤーズ、フォートローダーデールなどの運航便が、次々に追加されるようになりました。

 

 

格安航空でも、リゾート地へと出かけるフライトは大盛況。こちらは先日金曜日での、ミシガン州グランドラピッズから、サラソタへと向かう格安航空会社(アレジアント航空)のフライトの出発前の1コマ…

正確な乗客数は把握していませんが、通路にかなり人が溢れておりましたので、ほぼ満席だったように感じました。ただ、乗客の方の中には、満席になるフライトに不安を示して、デルタ航空の搭乗ゲートの係員に話しかけてくる女性もいらっしゃいました…

 

 

そんな方に、ささやかな朗報。

 

 

最近になって米国防総省が、旅客機内での感染のリスクに関する新しい報告を発表。それによると、航空機内での感染リスクは極めて低いとのこと……これは機内の換気機能を使った状態での空気中に漂う粒子数を測定した上で、実際に感染に必要となる粒子の数と対比した上での結論だ、ということらしいです。

ただこれは咳やくしゃみをする乗客が「マスクをしている」という前提でのデータ。さらにはカンタス航空からは、コロナウィルス感染拡大初期に、機内感染があったことが報告されています。ですので油断は禁物……

 

やっぱりマスクは着けておいた方がよさそうです。

 

最近ではマスクに飛沫を一定程度防ぐ効果があることは、豊橋技術科学大学からも発表されています。富士通製のスーパーコンピューター「富岳」を使って、実際に演算までしたのだとか。

それによると、不織布製マスクだと、飛沫を80%カット。布製のマスクだと66%から78%カットするのに対し、フェイスシールドは20%のカットで、マウスシールドは10%のカットにとどまるなど、マスクの効果が大きいことが示されました。

 

 

予備も含めて、これからもマスクは数枚常備しておきます。

 

 

 

日曜日と月曜日の2日間、お休みをいただけることになりました。