yuichibow’s blog

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 9/25

アメリカの小型旅客機専門の会社に勤める、裕坊といいます。こんにちは。

5日間に渡るフライトを終えて、昨日木曜日に帰宅。金曜日と土曜日の2日間、お休みをいただいています。そのあとは、怒涛の10日間になります。頑張ります。お仕事がある以上は、スケジュールには文句は言えません。そんな中、親会社のデルタ航空から、今日になって新しい発表がありました。

 

 

それは3つの機種の前倒しでの退役……

 

 

既にコロナ禍の中で燃費効率の悪い機種であったり、保有機数が少ない国際線機材などの退役は前倒しで進められていたのですが、

こちらは既に退役したマクドネル・ダグラスシリーズの代表格、MD−88型機。

 

ほぼ同型でありながら、若干新しいシステムが取り入れられていたMD−90型機も既に全機が退役しています。

 

その中には、日本エアシステムの機体として元々購入されていたもので、その後はるばる海を渡って『アメリカへと帰国』したあと、活躍していた機体もありました。

 

大型国際線用機材の中からも、既に引退が決まっている機材もあります。写真のボーイング777型機。

航続距離延長型のB777−LRは、デルタ航空保有する機体の中でも唯一17,000キロの航続距離を誇る、最長不倒の旗艦。アトランタから南アフリカヨハネスブルグを結ぶ路線は、この機材でないと務まりません…

 

ただ保有機数が18機と少なかったこともあって、国際線機材をエアバス社製機にシフトしていたデルタ航空保有機材から外れるという、悲運な運命となりました。

コロナ禍の中、航空需要に合わせ保有機種を削減することで、点検整備面でのコスト削減を図ってきましたが、航空需要の回復が思わしくなく、いまだに損益分岐点への回帰が果たせていませんので、保有現金が枯渇するのを防ぐ意味でも、背には腹を変えられなかったのでしょう。新たに3機種が加わることになったのですが、

 

実は、裕坊がかつて乗務していた小型機もそれに加わることに………

 

客席数50の全席エコノミークラス、CRJ−200型機。

 

天井が低くて狭苦しさが目立つ上に、全席エコノミークラス仕様。その上にWi-Fiのサービスもないなど、ナイナイ尽くし……

50名しか乗せられない小型機で、元々損益分岐点を保つためには7割の搭乗率を必要とするなど、コスパもあまりいいとは言えない飛行機ではあったので、以前から退役の話は何度も持ち上がっておりました。

 

コロナ禍による影響で減益減収がかつてない規模になる中、さすがに利益を生み出せない機体をこれ以上置いておくわけにはいかず、前倒しでの退役が決まりました。2023年12月までに、全機引退となるようです。

裕坊は、まだテネシー州メンフィスに本社があった頃の入社。

 

当時はノースウエスト航空(現在はデルタ航空と合併)の下請け航空会社として、メンフィス、デトロイトミネアポリスの3空港を主な拠点として、8年間乗務しておりました。

 

こちらの銀色は、ノースウエスト航空の最終型塗装。

 

他にもグレーを基調とした機体も、当時は在籍。

現在のエンデバー航空の前身の1つでもあったピナクル航空は、最大141機を保有。2020年9月25日(金)の時点での保有機数は、26機になっています。

 

既に大半の機体は、アリゾナ州にあるキングマン空港で、保存状態に置かれています。 そのうちの1機は、裕坊が自ら操縦桿を握って保存用駐機場まで運びました。

 

コロナ禍の影響が長く続いて、需要回復が予想よりさらに遅れるとなると、リージョナルジェット機の退役がさらに前倒しになる可能性も否定できません…

特に老舗の航空会社の利益の根幹になるビジネス需要の回復が期待できないとなると、ひょっとすると今年中に全機退役なんてことも十分にあり得る話……

 

 

さらに今回の発表で加えられたのが、もう2機種。

 

 

1つはボーイング717型機。マクドネル・ダグラス社のMD−88型、MD−90型機とほぼ同型で、若干全長が短く、客席は110席仕様。

元々はマクドネル・ダグラス社製のMD−80シリーズの機体です。ちょうどマクドネル・ダグラス社のボーイング社への売却の際に開発していたMD−95型をボーイング社が開発を受け継いで、同社名で販売することになりました。

 

デルタ航空で使用されている機体は例外なく、かつてアトランタに本社を置いていた格安航空会社の、エアトラン航空から買収した機体です。

 

ボーイング717型機は、ハワイアン航空における主力機材の1つ。ホノルルから各ハワイ諸島へと結ぶ機材として使われています。

 

デルタ航空ボーイング717型機は、既に半数ほどが保存状態に置かれていて、航空需要の回復とともに現場へと復帰させる心算だったのですが、思うような需要の回復が見られず、この度全機退役ということが決まってしまいました。

空港設備が最小限にしか整わない地方空港への路線に、とても小回りが効く機体だったのですが、最新鋭のエアバス220型機の導入とともに活躍の場を狭める運命にあったボーイング717型機。現在の予定では、退役は2025年12月だそうです。

 

さらには1世代前の機体として、ボーイング767−300型機もリストに加えられることになりました。日本でもお馴染みだったこのボーイング767型機。

 

双通路の機体を徐々にエアバス社製に統一していく意向を、デルタ航空本社が固めているのは想像に難くないです。

保有機数は、ボーイング717型機が91機、ボーイング767−300型機が56機。両機種とも2025年までの退役を予定している、と今日発表されました。需要さえ回復すれば、これをエアバスの最新鋭機材などで置き換える、という可能性が十分あるだけに、需要の推移に今後注目、ということになりそうです。

 

ただデルタ航空では、いいニュースも1つ発表になっています。

 

アメリカの各主要航空会社は、給与支払いのための援助金給付を連邦政府から受け取っているのですが、期限は9月30日。その緊急給付の受け取りに当たって、従業員は1人たりとも強制解雇をしないという付帯条件が付けられたのですが、到底それだけでは資金的には足りない状況……今の情勢ですと、給付の9月30日以降の延長も期待できず……

 

そんな中、デルタ航空では余剰となると見られていたパイロット1,900余名に対し、一時的な強制的雇用凍結を示唆していたのですが、ここにきてパイロット組合との交渉を続けた上で、パイロットの雇用を11月までは保証するとの意向を示しました。

旅行業界全体で大きく収益が落ち込む中、これから各社がどんな生き残り策を講じるのか、裕坊自身も含めたパイロットの雇用に大きく影響が出てきそうです。今後の航空会社の動きに、

 

 

注目です。 もう1日、お休みをいただきます。