yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 9/11

アメリカの地域航空会社に勤める、裕坊といいます。こんにちは。

9月11日といえば、今から19年前に世界を震撼させた日。ニューヨークの世界貿易センタービルからの煙は、実家のテレビのニュースの中で見ておりました。裕坊はちょうどお風呂から上がったばかりで、家族が座っている居間のテレビに映し出された画像を見て、映画でも見てたのか、と思ったほど……改めて亡くなった方や遺族の方に、追悼の意を申し上げます。

 

今年はコロナウィルスの影響で、アメリカでも大規模イベントが次々と中止になる中、9・11犠牲者追悼式典なども、各地で規模が大幅に縮小されていたみたいです。ニューヨークでの式典では、例年犠牲者全員の名前を読み上げていたのですが、今年はコロナウィルス感染防止のために、事前に録音した音声を会場に流すという、異例の方式だったのだとか…

実はもう1つの恒例行事にもなっていた、ブルーエンジェルスによる追悼飛行。こちらも結局は中止せざるを得なくなってしまったようです。ただ別のことがどうやら原因……

 

下の写真は、今年4月28日にコロナウィルス患者で溢れ返る医療機関の、最前線で働く医療関係者に対する敬意で飛んだ時の、ニューヨーク上空での写真なのですが……

コロナウィルス感染が爆発的に広がり、てんやわんやの状態になっていたニューヨーク州では、かなり不評だったんだそうです。本日の編隊飛行も、結局はお流れになりました。

 

ただこちらのニュースを読んでいる限り、カリフォルニア州を初めとする、アメリカ西部の州で広がる山火事に新聞の一面がかなり割かれている印象がありました。

1箇所ではなく30箇所以上で燃え広がって、カリフォルニア州では史上最悪の焼失面積を記録しているそうなのですが、規模が途方もなく大きすぎて、現在の状況がどうなっているのか、裕坊にはさっぱり分かりません。

 

空が赤色に染まり、

 

サンフランシスコ近郊にある、ゴールデンゲートブリッジ周辺もこの通り……

そんな中、空中消火機もフル回転。小型機から退役した大型の旅客機まで、様々なタイプの飛行機が使われていますが、火災規模の大きい現在のカリフォルニア州のような森林火災で汎用されるのは、大型機。

 

写真はかつてアメリカでも3発エンジン旅客機の主力として活躍した、DC−10型機の改造型。

消化剤は、主成分としては、硫酸アンモニウムやリン酸アンモニウムなどに、ケイ酸塩などの濃厚剤を混ぜたものが主流になっているそうです。消火活動後に山の地面に栄養分を与えて、植物の再生を促すことができる成分なのだとか。

 

アメリカでの空中消火機は、ほとんどが軍事組織の1つである州兵によって運航されます。

こちらはジャンボジェット機こと、ボーイング747型機の改造型。最近では搭載量の大きさから、貨物機としても人気が高い「空の女神」、74,000リットルもの消火剤を積み込むことができるんだそうです。

 

かつては民間航空会社所有の、空中消火機なども存在していました。

こちらは、かつてオレゴン州に本社があったエバーグリーン航空。空中消火活動だけでなく、CIA(中央情報局:Central Intelligence Agency)やその他の政府機関との契約があった、ちょっと異質な経営をしてきた航空会社でした。ただこちらは財政破綻によって、2013年末に倒産しています。

 

消火活動の基本は、火の根元を狙って消火剤を撒くこと。空中消火活動にとって大切なのは、束状になっている火の、風下への動きを阻止することで、延焼を防ぐことになるそうです。具体的には風上から風下に向かって、火の列の先端になっている部分の根元を狙います。

ただカリフォルニア州の森林火災などの場合は、強烈な風を伴うことが多く、狙いがどうしても定めにくくなってしまうようです。そのため、空中消火機は活動中、落とせるところまで速度を落とすのが普通。主翼の後ろ側部分に当たる補助翼が、大きく下へと下がっているのが見えるのはそのため。空気抵抗を増やしながらも、揚力が落ちないよう、主翼の上面を通過する空気の流れを阻害しないように工夫がなされていて、時速230キロ前後にまで落としての活動が可能。

 

ちなみに、このような大型旅客機は、洋上飛行などで巡航するときには、巡航速度がおよそ900キロ前後になります。洋上飛行などに比べると、消火活動をしている航空機の速度は、およそ4分の1。パイロットとしてもけっこうな技量を問われるようです。

 

現在、アメリカ西部で起こっているような、大規模森林火災の場合、火の広がりが早く、一旦逃げ遅れると確実に命取りになりますので、

もし近隣にお住まいの方がいらっしゃるのであれば、早めの避難をお願いしたいです。

 

 

裕坊は3日間のお休みが終わって、明日から5日間のフライトへ出発です。お休み中は、ひたすら息子くんを乗せて、東へ行ったり北へと向かったり。

金曜日はまずまずお天気もよくなって、ドライブ日和でしたので、

 

息子くんを音楽会の練習会場へと届けた後は、 さらにちょっと足を伸ばして、

 

韓国系のスーパーへとやってきていました。

 

なかなか一般のスーパーでは手に入らない新鮮なお魚なんかも、売ってます。

 

今日のお目当ては、薄切り肉のコーナー。

たまには贅沢でもしてみたい……

 

というわけで思い切って奮発して、今晩の夕食には、

しゃぶしゃぶに………

 

ウニまでいただきました。

栄養をしっかりと補給して、 明日お昼前の出勤。

 

 

5日間合計で、16便を担当の予定です。