yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 9/10

アメリカの地域航空会社で、小型ジェット機に乗っている、裕坊といいます。こんにちは。

今週火曜日に4日間のフライトから帰宅して、今日はお休みの2日目。裕坊一家が住むデトロイト地方はどんより曇りで、気温は18度。

 

先日はロッキー山脈の麓にあるデンバーで、なんと1日で気温が30度以上も下がるなんてことがありました……

「労働者の日(レイバーデー:Labor Day)」だった華氏93°(摂氏およそ34度)から、火曜日の朝には華氏34°(摂氏1度!!)へと、33度の低下………

 

一部では、降雪もあったそうな………

 

来たる冬の予兆じゃなければいいんやけどなぁ〜〜……

 

ちなみにミシガン州では、裕坊がフライトを終えた日の気温は17度で、今日木曜日の朝の気温、11度でした。

もうミシガン州はすっかり秋の様相…

 

ミシガン州の食欲の秋といえば、リンゴの絞りジュース(こちらではアップルサイダーと呼ばれます)にドーナツ。

ミシガン州に限らず、アメリカの中西部ですと至る所にリンゴ農園があり、リンゴを絞ったばかりのジュースが売られます。

 

それと共に販売されるのが、揚げたてのドーナツ。

アメリカの秋の風物詩…

 

ノースビルという歴史ある建物が立ち並ぶダウンタウンから歩いても行ける、パーメンターズ・ノースビル・サイダーミルが裕坊の大のお気に入り。

デトロイト・メトロポリタン空港からですと、高速道路の275号線を20分ほど北へと上がって、8マイル通りを3キロほど西へと進んだところにあります。

 

週末ともなると、行列ができるほどの人気なのですが、

今年はドライブスルーによる受け付けのみだそうです。クローバーアプリをインストールしておくと、先に注文しておくことも可能。

 

 

秋といえば、全米では新学年。オンライン授業を受けている息子くんのクラスも、やっと本格的になってきたようです。息子は今のところ、一学年を通じてオンラインによる受講の予定。

ここ数日はインターネット環境も安定していて、やっと授業らしくなってきたようで……

 

トランプ大統領は、従来の対面式による授業をこだわり、学生たちには学校に戻るように頑なまでに主張していましたが、少なくともミシガン州では多くの学校でオンラインによる授業が取り入れられました。ただ多くは9月一杯をオンライン方式にして、コロナ感染状況の推移を把握しながら、10月以降の対面式再開を検討する、ということのようです。

 

実は昨日、アメリカの航空会社のパイロット組合でも最大になるALPA(Air Line Pilot Association)から、一通のメールが全会員に届けられていました。トランプ大統領とともに、対面式による研修へと回帰することを推奨する、というのが組合の総合的な立ち位置。航空会社に所属するパイロットには、航空法や航空機の仕組み、航空力学などをおさらいするために、年に一度研修が課されるのですが、以前はほとんどが対面式でした。

それがコンピューターがパイロットの仕事においても普及し始め、現在のアメリカの定期航空会社では一切の例外がなくタブレットが各個人に支給。コンピューターやタブレットを使って研修の一部を履修することができるようになって、年次研修の座学の日数もかなり短くなってきていました。我が社を例にとると、裕坊が入社した当時の14年前は5日間みっちり座学研修。現在は3日間にこそ渡るものの、実質かかる時間は2日分。

 

それとは別に、3ヶ月に一度15項目ほどの課題をオンラインにて出され、各課題を2ヶ月以内に履修。ペースは完全に個人の自由で、年に4回それをこなすことで、3日分の座学を履修したと計算します。

元々座学を受けるのが苦手なのが多いパイロットの間では、これが大好評。

 

そしてコロナ禍とともに研修施設は使えなくなり、必然的にこれまでは座学で行なっていた年次研修は、全面的にオンラインによる授業へと切り替え。本来であれば一時的なものだったはずなのですが、

自宅から研修施設(我が社の場合は、ミネソタ州ミネアポリス)へと出向く必要がなく、ゆっくり自宅にて受けられるとあり、こちらも実は我が社のパイロットの間では大好評。

 

ただあまりにも全てがオンラインへと全てが偏り過ぎてしまうと、ただでさえ落ち込んでいるビジネス需要を取り戻すのに必要な理由づけができなくなる、という組合の立場があったのでしょう。メールの中に、今後のことを危惧する危機感が満ち溢れていました。

 

オンライン授業か、対面式授業か……意見を見ても賛否両論。北海道大学の学生たちが独自に行った調査を見ていると、学内におけるオンライン肯定派と対面式肯定派はほぼ拮抗していて、それぞれ38%と42%。対面式派が若干オンライン派を上回っていたようです。

裕坊はどちらかというと、オンライン派。

 

対面式であれば、同じ目標に向かうクラスメートに刺激を受けたり、情報交換が手軽にできるなどのメリットもありますが、オンライン式であれば、活用できる資料を複数手元に置いた上で、授業が終わった後に参考資料にじっくり目を通すことだって可能。成績が上がるのは授業を受けている時でなく、その後の自学自習で授業で学んだことを知識として定着させた時、というのは過去の研究からも分かっています。オンラインなら学校や塾、予備校にいる時よりも、自学自習の時間を多く取ることだって可能になります。

 

さらに静かな環境の中で、じっくりと集中して勉強をしたい方なので、裕坊としては、選択できるのであればオンライン式を選択すると思います。

ただまだまだオンライン授業を受けるには、環境的に心許ないのが事実。

 

アメリカでは、元々ホームスクール(Home School)というシステムがあり、親が直接教師役として子供たちに教えるというのは浸透していましたので、家に子供達を置いておく、ということに対する拒否感は、日本に比べると強くありません。

そしてこのコロナ禍ですので、むしろ親としては選択が可能なのであれば、家に子供たちを置いて授業を受けさせたい、という意見が大勢を占めるようにすらなりました。米紙ワシントンポスト紙、調査会社イプソスによる世論調査では、対面式を希望するのは16%、オンライン式支持が39%。対面式とオンラインを織り交ぜた「ハイブリッド式」支持が44%という結果に。

 

ですから、あとはいかに家庭環境をオンライン授業に対応したものにしていけるか……

 

既にホームセンターなどからは、今後の教育環境の変遷を見越して、様々なアイデアが提案されるようになっています。これはその一例。

明るい色を基調としたものだったり、

 

本棚を充実させて、資料を手軽に手元に揃えられるように工夫してみたり、

 

あるいは社長気分に浸れる雰囲気を醸し出したようなものまで……

既に社会人として活躍している人が、さらなるキャリアアップのための学習環境としても使えそうなシックな内装の提案もあります。

 

トランプ大統領は、元々不動産業出身。広い敷地にゆったりとした部屋の間取りを取れるよう、まずは過疎化が進む地方への需要を掘り起こし。そして家庭内でくつろぎとビジネス環境、学習環境の整備を提案する。アイデア次第では、不動産業だけでなく、ホームセンターや家具屋などに新しい需要を掘り起こせるはず。ビジネスマン出身のトランプ大統領なら、アメリカとって是非大きなチャンスとして捉えてほしい。心底そう思います。

 

 

もう1日お休みをいただいて、次は5日間のフライトです。