アメリカの小型旅客機に乗る、裕坊と申します。こんにちは。
先月から2ヶ月連続で、乗務員が欠員が出た場合の補充要員や、急なフライトの担当をこなす、『リザーブ』と業界で呼ばれるスケジュールを選択しています。先月は「リザーブ」でありながら、月の前半には全くフライトが入らず、先月の後半からは一転してずっとフライトが入りっぱなし。
今日はいきなり夜中のちょうど12時にフライトが入り、急遽出勤。夜になってドタバタの準備をして、お昼過ぎの出勤となりました……
聞くと、2週連続で病欠を申し出た乗務員が1人いたらしいです………しかも裕坊が副操縦士時代に何度も一緒に飛んだ、気心の知れた仲…………その○○坊が元々担当するはずだったフライトを、裕坊が2週連続で代行して担当することになりました………これが『リザーブ』と呼ばれる者の役目。
まさか、セーリングとかに行っとらんやろな………
もとい、早く病気を治してね………
今度デトロイト上空を通過する時、奴の家にちゃんとセーリングボートが止まっているかどうか、確認せんといかん…………
もとい、早く奴には良くなって欲しい……………
裕坊が乗務するリージョナルジェット機は76名仕様。既にアメリカン航空やユナイテッド航空では、全座席の開放を始めていますが、裕坊が担当するのはデルタ航空管轄。小型旅客機の上限を42名に抑えた上での運航をここ数ヶ月続けていますが、ちょうど今の需要に見合うのでしょう。
最盛期に比べて、運航便数で平常時のほぼ6割程度まで、運航数も回復してきています。もちろん、夏の間の一時的なものではあるでしょうが……
平常時に比べると、乗客の数は全体の3割ほど。乗客の数が少しずつ増え始めてはいるものの、まだちょっと静かなターミナル内…
衛生状態を良好に保つための啓蒙活動は至る所で施されていて、
空港の中を歩いていても、速乾式の消毒液があちこちに置かれています。
デトロイト空港内の電車は運休中のまま……
電車乗り場へと繋がるエスカレーターも止まったまま……
Aコンコース中央の噴水も、まだ稼働しておりません……
最近では他人との距離確保のため、待合用の座席には印までが貼られ、
一定の間隔を保つよう、こういった啓蒙活動も始まるようになりました。
ちなみに従業員駐車場から、空港ターミナルへ向かう専用のシャトルバス内でも、
最近は一定の距離を保てるように、 まず運転台と従業員の乗るスペースが区切られ、
荷物台にも、6フィート(およそ1.8メートル)の距離を確保するように、
札が貼られるようになっています。 本来であればバス乗車の際は、マスクを全員着用しないといけなくなったのですが、今日乗ってきた従業員、裕坊を含めて7名。そのうちマスクをしていたのは、2人だけでした……規則があっても、まだマスク着用が徹底できていないのが現状……
既に着席しての飲食が可能になっている、ミシガン州のレストラン。定員を大幅に下げた上での営業を続けています。
長らくお持ち帰りだけの営業が続いていたのですが、 先月になって解禁。
この景色を見るのも、本当に久しぶりでした。
ただまだ陶器のお皿を使っての、料理の提供はできないそうで、
お持ち帰り用のプラスチック容器に入れての提供でした。その分今は1ドルほど、各品目とも割引になっているようです。
今日の担当は、ミシシッピ川沿いに高さ192メートルの「ゲートウェイ・アーチ」で有名なセントルイスまでを往復し、
上空からでも、西に向かって着陸する際、あるいは東に向かって離陸する場合は、南側に見えます。
既にこちらもレストランは、ほぼ通常通りの営業となっておりました。
1時間ほどで折り返して、
現在1日あたり4便の運航となっている、さくらんぼで有名なトラバースシティまで。
出発地のデトロイト付近はお天気も安定し、大きな雨雲などもなく、
順調に離陸して、北に向かいます。
北に向かうにつれて、お天気は徐々に怪しくなり……
最後は、ほとんど千鳥足状態………お天気に状況が目まぐるしく変わり、入道雲を避けるように左へと右へと忙しく飛び回り、滑走路へと入る方角を変えたりして、
結局到着したのは、定刻から30分ほど遅れた、夜の11時前……
疲れました…
乗っていた男の子が1人、降りる直前になって、吐いてしまうことに……
ごめんね〜〜………
定刻は10時15分到着だったのですが、結局着陸のやり直しまでやる羽目になって、到着したのは10時42分……タクシーの運転手さんにも、30分ほど待ってもらうことになりました……
待ってくれていた運転手さんは、典型的な中西部の白人男性……マスクはせず、堂々と普通に闊歩しておりました。
そして当然のようにコロナの話題になって、
『コロナの件数は、有名な医者によると、あれは全部ウソらしいから』 だそうです……
裕坊も、本音はそうであって欲しい……
人口密度が低い分、3密になる確率も低いので、大きな集会とかさえなければ、比較的安心ではある中西部の地方都市。ミシガン州の北部でも、大きなクラスターが発生しにくいのは間違いないでしょうから、危機感が低いのは分からないではないです。ですが、これが中西部の地方都市の方たちの典型例…… 地方都市だけなら安心かも知れませんが、これが大きな都市でも同じ考えの人がたくさんいるとなると……
まだまだコロナ禍が下火になるのは、少なくともアメリカでは時間がかかりそうです……