yuichibow’s blog

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 6/8

アメリカで、小型旅客機に乗る、裕坊といいます。こんにちは。

コロナウィルスの影響下で旅客便が減便する中、裕坊のフライトも減っています。今月は1ヶ月間全て自宅待機で電話待ち。まだ今のところフライトは入っていません。予定飛行時間はゼロ……ただ、フライトの割り当てを示す乗務員用のインターネットを見ていると、需要が見込まれるところから、徐々に臨時便が入り始めています。まだ昨年比で7割減であることには変わりませんが……

 

裕坊一家が住んでいるミシガン州では新規感染のペースは明らかに落ちていて、感染者を受け入れる病院の空き病床にも若干の余裕が出てきているのでしょう。徐々に規制は緩和されて、日常を取り戻しつつあるような雰囲気になっています。裕坊も先週末は友人宅へ招かれて、久々にバーベキューなどを楽しみました。ミシガン州のみならず、全米で同じような動きになっていて、多くの州では規制解除の方向に動いています……

写真は先週、規制解除の記者会見を行う、ウィトマー・ミシガン州知事。

 

ミシガン州では6月15日(月)より、規制解除の第5段階に入ることになり、ネイルサロンであったり理髪店、美容院なども再開できるようになりました。同じミシガン州内でも、州北部は感染数が元々南部に比べるとかなり少ないので、マスク着用などの条件をつけた上で、映画館ですとか室内ジム、室外スポーツ施設などが今週水曜日6月10日より再開可能に。デトロイト近辺でも、これらの施設が解禁になるのは近いことでしょう。

ではアメリカにおけるコロナウィルス感染拡大は、このまま終息するのか……もちろんその方向に向かって欲しいですが……

 

 

残念ながら、おそらくそうはならないでしょう。裕坊思うに、あくまでもこれは一時的……

 

 

ブラジルの状況を見ていると、北半球の各国、各地域における数ヶ月後の状況が見えてくるような気がします……ブラジルのボルソナロ大統領は、経済最優先を臆すことなく押し出すトランプ流の政策を取ってきましたが、その結果………

感染が爆発的に拡大……報告感染者数は70万人に迫る勢い(6月8日(月)現在、691,758人)で、死者は3万6千人超え(同36,455人)。とうとう報告感染者数では世界第2位、死者数でもスペインやイタリア、フランスを超えて世界ワースト3位となってしまいました……

 

たった2ヶ月の間に、コロナウィルス対策を巡って保健相を2名立て続けに更迭してみたり……

写真中央は5月15日(金)に更迭されたタイシ保健相。元々トランプ大統領を臆面もなく私淑するボルソナロ大統領。トランプ大統領が一時期使用していた抗マラリア薬のクロロキンを、盲目的に国内で推奨したりまでしていました。ところがその後行われた治験で11名が死亡し、クロロキンはブラジルにおける治験も中止……

 

ちなみにボルソナロ大統領。昨年は「アマゾン森林には、経済的可能性がある」として焼畑農業を国民に推奨。昨年のアマゾンにおける森林火災件数が前年比で2倍近くにもなり、ブラジル森林火災に対する無策ぶりを批判したフランスのマクロン大統領と、大舌戦を繰り広げた人物でもあります……

トランプの弟かというほどのトランプ私淑派が、コロナウィルスの脅威を一切顧みず、経済だけに政策を重視させるとどうなるのかという結末を、しっかりと示している気がしてなりません……

 

 

全く裕坊個人の見解にはなってしまいますが、少なくとも数年はコロナウィルスと付き合いながら、時には都市封鎖をし、また解除をし、経済とのバランスを考えて封鎖と緩和を繰り返しながら、これから数年は乗り切るしかないのではないかと思っています。個人的には、寒さが本格化する11月以降に大きな第2波が北半球に訪れると考えていますので、今のうちに医療を崩壊させないための準備が必要になるのではないでしょうか。

 

過去の歴史を見ても、数十万という大規模な数の死者を出すほどのインパクトがある感染症は、これまで1年で終息したことはありません……

 

 

そもそも過去の感染症の中でも、根絶に至ったと認識されているのはただ1つ。天然痘だけ。1977年にソマリアで発症した人を最後に、その後の感染が記録されず、WHO(世界保健機構)が1980年に世界根絶宣言を出しています。

直近の感染症では2002年に中国広東省で最初の感染者が記録された、SARSがあります。2003年以降は罹患者の記録は出ておりませんが、世界保健機構による終息宣言は出されていません。ただこの時の総患者数は8,000名で、死者は700人ほど……パンデミックと呼ばれるほどの感染症には至りませんでした。

 

 

ではコロナウィルスはどうなのか………

 

報告済み感染者数は世界で700万人で、死者数は40万人を超えています。SARSやMERSなどでは「封じ込み」に成功したとされていますが、同じように「封じ込み」ができるのか、人間社会から完全に追い出すことができるのか……裕坊の勝手な個人の意見に過ぎませんが、終息するとしても少なくとも2年は見ておいて損はない、が裕坊の考え。

 

100年ほど前に世界で大流行したスペイン風邪を、教訓にするのであれば……

このポスターは、スペイン風邪が日本で流行した際に対策を呼びかけたポスター。『「談話の時は4尺(1.2m)」「咳のときは10尺(3m)」飛沫が飛ぶから注意しろ』という注意書きなどもあったそうです。 第一次世界大戦終結を早めることになったとまで言われるスペイン風邪。1918年に始まった流行は当時の人口およそ18億人のうちの6億人に感染し、5000万人もの人が死亡。日本にも入り込んで、当時人口がおよそ5,500万人だった日本国内だけでも2,300万人が感染して、およそ39万人死亡の記録が残っています。

 

この時は1918年3月に米国とヨーロッパを皮切りに、北半球の春と夏に第1波が発生。感染性こそ高かったものの、致死性は低かったのだそうです。 そしてやってきた第2波。致死性は大幅に跳ね上がり、15〜35歳の健康な若年層において最も多くの死亡が見られました。死亡の99%以下が65歳以下にて発生していたのだとか……致死率で比較すると、第1波ではおよそ1.2%ほどだったのが、第2波では5.3%にまで跳ね上がっていたそうです……

コロナウィルスと比較すると毒性やウィルスの性質、特徴などはもちろん同じではありませんし、スペイン風邪の毒性自体はコロナウィルスよりも強かったそうですので、あくまで参考にしかなりませんが、過去の感染症を教訓にして損はないと思います。

 

 

ウィルスや細菌など、微生物の歴史は人間のそれを遥かに凌ぐ40億年。そもそもウィルスを根絶することなど不可能ですから、今年になって新しく人間に感染を始めたコロナウィルスともしばらくは付き合っていくことになるでしょう。手洗い、うがいを怠らず、マスクで飛沫の飛散を防ぎ、免疫力が落ちないような生活に普段から心がけ、マスク、消毒液などの衛生用品などは、今のうちから備蓄を増やしておいて損はないのではないでしょうか。