yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 3/27

米国小型機専門の航空会社に勤める、裕坊と申します。こんにちは。

コロナウィルスの猛威は、アメリカでも相当な勢いでとどまる所を知らず、とうとうアメリカにおける感染者は4万名を超えてしまいましたね。日本もここまでなんとか持ち堪えていたのが、ここ数日東京での感染者の数が40名越えになっていると聞きました。

 

国民全体が免疫を獲得して、ウィルスの蔓延が広がりにくくなるとされるのは、国民全体の7割程度が免疫を獲得してからとされます。それにはまだまだ程遠いですし、ここまでは感染のピークを抑えこめてこれただけであって、今後の爆発的な感染の可能性が完全に排除されたわけではありませんので、日頃からの感染予防への対策を、くれぐれもお願いします。不要不急の外出も、今の時期はお控えいただけると、爆発的な感染の可能性を少なくすることができます。是非皆さんのご協力を、薬剤師である裕坊もお願いしたいです。

 

外出制限が出されているミシガン州では、先週から学校もお休み。インターネットが繋がっていない家庭を考慮して、今でも期日を定める宿題というのは出されていないという、息子くんのお話。ただオンライン学習を早くから取り入れているこちらアメリカでは、自らの選択でインターネットによる学習が積極的に受けられる環境は整っています。

息子くん本人は、大学に向けての単位を取れないのがちょっと不満ではあるようですが……この辺りは、インターネットをまだ家庭に引けていない生徒たちへの配慮などもあるのでしょう。

 

ただ息子くんの通う高校でも、来週は休校3週目。まだ学校再開の目処すら立っていませんから、学校としても家庭にいながら授業の一部を履修できるように、何らかの対策は立てているようです。

あくまで受講は生徒の選択とし、必須とはならないようですが、休校中の選択肢として取り入れることができる準備は始まっているようです。

 

あとこちらならではのサービスとして、学校の敷地内での昼食の供給なども始まっています。

元々は低収入の家庭支援が目的で、通常時は行われているこのサービス。

 

休校中は学区内の学校に通っている児童であれば、学年を問わず、また家庭の収入の高低も一切関係なく、供給が行われているようです。

休校中も、様々な形で学生を応援する体制は続いています。

 

 

そして裕坊。航空業界は日常生活を支える基幹ビジネスの1つとして指定されており、各州で外出制限が課されている中でも、我々の業務は通常通り。ただ定期便の大幅削減が急激に進んでいて、スケジュールが大幅に変更になっていることが影響し、本来は既に発表になっているはずの翌月(4月分)の個人ごとのスケジュールは、まだ発表になっておりませんでした…… 普段であれば、毎月20日には発表される翌月のスケジュール。

 

今日3月27日(金)になって、やっとのことで来月のスケジュールが発表…

3月中旬に発表されていた、当初の予定から17%の客席供給数削減を考慮したスケジュールなのだそうですが…………

 

実際にはその後、親会社であるデルタ航空より、全体で70%が削減されることが決まり(デルタ航空本体、さらには下請けを含めて、全部で1,300機ある旅客機のうちの600機を、使用停止することも決まっています)、さらなる欠航が発生することが決まっていて、ここからまだまだ調整が入ることになり、最終のスケジュールとはならないそうで……… 最終的なスケジュールが確定するのは、早くても数日後……… 恐らく本社の乗務員管理課は、今頃てんてこまいになっていることだと思われます。

 

実を言いますと、本来であれば翌月のスケジュールの正式発表直後から、各自のスケジュール変更希望の申請ができる仕組みになっているのですが、会社の意向でそれが今できない状態になっていて、パイロット組合がそれは契約違反であるとして、会社に抗議を申請中…………………しかもその組合の意向に同意するパイロットも一部いたりして……………

でもそれって、裕坊に言わせると………

 

船縁が損傷して浸水が始まっている大型客船で、乗組員が沈没を防ぐ処置に大童になっている時に、予約を入れていて既に支払いも済ませているからと、レストランでの食事を要求しているようなものと思えて仕方ないのは、裕坊だけなのか??そんな状況であれば、まずは船の沈没を防ぐ手立てを考えて、乗客の側からも協力できることがあれば協力を申し出るってもんだろうに……………そういう考えが浮かんでこないんやろか……………

 

エミレーツ航空エティハド航空、或いはライアン航空などは、既に数ヶ月の運航完全中止を発表。

各航空会社とも軒並み運航削減率は80%、90%など、想像を超える影響を受けている中で、未だに仕事を失っていないという事実。少し組合も冷静な判断をしてほしい、というのが、裕坊個人の独り言………

 

日本人感覚といえば日本人感覚なのかも知れませんが……………

 

 

水曜日から始まっていたこの4日間のフライトを見ただけでも、実は12回もスケジュールの変更があり……

本来であれば、今日は昨夜来ていたフロリダ州のジャクソンビルから、ニューヨークのケネディ空港まで客席に搭乗して移動するはずだったのですが、昨日の夜にまたしてもそれが変更になり、今日金曜日は1日担当便はなく、そのままフロリダ州で宿泊滞在……

 

同じことが来月のスケジュールでも起こるのは確実。飛ぶ日数自体がかなり削減される可能性も大………最終のスケジュールが確定するまでは、しばらくこのまま待機です…

 

そのジャクソンビルには、昨夜木曜日の夜遅くにやってきておりました。

乗客は10名。

 

そして滞在先のホテルには、一般の方の姿はなし。

ここ最近、ホテルの稼働率は20%もあればいい方だそうです。

 

フロリダ州にはまだ外出禁止令は、出されておりませんので、

外出はとりあえず自由……

 

それでもニューヨーク、あるいはその周辺の空港から出発してフロリダ州へとやってきた方は、自己隔離を2週間要請していますので、散歩は最小限にとどめて… …

 

ホテル近くにあるこちらのお店にだけ、やってきておりました……

 

店内では、他のお客さんから最低2メートルの距離を保つように、張り紙がされていて……

 

レストラン内での飲食も控えるように、椅子などには座れないようになっておりました……

 

部屋へ戻ってきての、1人での夕食………

明日土曜日は早朝の出発。ケネディ空港までを担当して、そのあとは客席に搭乗して、この6日間を締めくくる予定になっています。