yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 3/16

米国リージョナル航空会社に勤める、裕坊と申します。こんにちは。

昨日日曜日から、当初の予定通り4日間のフライトへと出発しています。この時期はまだ曇りの日が多く、雪が降ったり氷点下になることも珍しくないデトロイト地方。暖冬のおかげで、この時期でも晴れの日が多いミシガン州

 

出勤の時も、ほとんど雲一つない快晴のお天気でした。

デルタ航空の系列内で、国内線最大15%の供給座席数の削減が、先日発表になりましたが、少なくとも今月の我がエンデバー航空のフライトのスケジュールには大幅な変更はないようで、裕坊自身も、昨日日曜日からは当初の予定通りのフライトスケジュールのままになっています。昨日は4本を担当して、さらにはデッドヘッドが1便。

 

日曜日は、普段であれば月曜日からのお仕事を控えて、帰省先からUターンする方も多く、デトロイト空港内ではそんなに閑散とした印象は受けませんでした。

ただ本格的に移動を控える方が多くなったのを目にしたのは、やっぱり乗客の数をハッキリとその目で確認した時………

 

航空会社の旅客便は、各会社の本社内にある運航管理課と繋がっていて、重量データのバランスの計算なども、最近では運航管理がコンピューターで計算をしてくれます。

最大離陸重量を超過していないかを監視するとともに、荷重が機首側にかかりすぎていないか、或いは機体後方に偏りすぎていないかなどをモニターしてくれて、離陸時の補助翼角度まで計算してくれるスグレモノ…

 

乗客の皆さんの総数、着席の配置などによっても、総重量もバランスも変わりますから、そのデータは本社へと各空港から吸い上げられます。

緊急時には、航空管制に乗客乗員の数の通知をする必要が出てくるので、離陸前には乗客数も必ず確認………

 

ということで、各便出発の際のルーティンとして、乗客数が離陸前に運航課から操縦席のコンピューターを通じて送られてくるのですが……

昨日担当した4便の平均の乗客数………

 

76名分の座席数に対して、27でした。

土曜日は、とりわけ土曜日の午後ともなると、アメリカにおける人の移動は極端に減り、搭乗率が50%を割ることは珍しくないのですが………

 

日曜日に、しかも1日を通して搭乗率がどの便も50%を超えなかったというのは、さすがに記憶にありません……

全米だけでなく、各州においても非常事態宣言が発令されて、極端に移動を控えているのが分かるアメリカ……

 

実は昨日日曜日は、全部で5本あるフライトのうち、真ん中の3便目がデッドヘッド(乗客の皆さんとともに、客席に乗っての移動)という、ちょっと珍しいパターンだったのですが……

その便も、見た目は30人といないような印象でした。

 

途中立ち寄ったシンシナティ空港、どことなく閑散……

元々シンシナティは、週末は人が減る傾向にありますので、見慣れた光景のようにも映りますが、それでもちょっと寂しいかも……

 

今朝はホテル内の食堂にて、朝食をいただいたのですが、

前回訪れたときには、週末だったこともあって、空いているテーブルを見つけるのも一苦労だったというのに……

 

今朝は人が全くいない状態………

テレビでも、休校で家で大人しくしている子供たちが、祖父や祖母とスカイプやフェイスタイムをやってはどうか、としきりにやっておりました。

 

ちなみにこちらが、裕坊の今朝の朝食。

相変わらず、野菜類には全くありつけません………

 

昨日から4日間一緒になる副操縦士との会話は、来月以降がどうなるのか、で持ちきり……我がリージョナル航空会社の親会社であるデルタ航空でも、太平洋路線の座席供給数を、最大65%削減することを決断したようです。本来であれば、裕坊たちの翌月のスケジュールは、各自の希望を14日までに入札して、18日に発表するというパターンなのですが、それが今日16日になってやっと締め切り……かなりまだフライトスケジュール自体が確定できていないのか、締め切りこそしたものの、普段通り18日の発表になるかどうかは、まだ流動的……

 

今後のことは、まだ本社も模索中のようです。 未知のウィルスに左右されてますから、こればかりは仕方ないですね………

 

 

日本では自治体によっては、感染者の少ないところ、或いは全くゼロの地域を皮切りに、学校も通常通りの登校を決断したところもあるようです。何もかもを全て封鎖してしまうと、経済が成り立たなくなりますし、どこかで決断は必要になりますから、経過を慎重に観察しながら、再開校の決断をするところもあってもいいと思います。

 

 

裕坊はこのウィルスに対する最善の処置は、重篤症の患者を出さない、死者を出さない、ことだと考えています。その点で、日本は現在のところ、被害を最小限に食い止めることができているのではないでしょうか。問題なのは、日本では未だに希望者全員にPCR検査を、と煽る専門家や評論家が多いこと。

 

 

ここで皆さんに1つ覚えておいていただきたいことがあるのです。

 

 

テレビでよく肩書きに加えられる「感染症に詳しい」医師や、「感染症に詳しい」専門家、と「感染症専門医」とは全く別物であるということ。「感染症に詳しい」というのは、あくまでも「自称」に過ぎないのです。

 

方や「感染症専門医」とは、日本感染症学会が指定する研修施設にて最低3年の研修を受け、合計で感染症学を6年履修した上で、学会が指定する試験に合格して初めて感染症専門医に認定される専門の医師。ここでは第一に耳を傾けるべきは、「感染症専門医」になるのではないでしょうか。

その感染症専門医の方に言わせると、1番の不安は病院そのものが、大きな感染源になってしまうこと、だそうです。ニュースなどのマスメディアによって社会不安を煽り、人々が一度に病院に押し寄せると、PCR検査を待っている間に感染者が非感染者にウィルスを移してしまうことが考えられます。さらにはPCR検査そのものも、100%確実なものではなく、偽陽性偽陰性と間違った判定につながることも少なくないそうですので、今希望者全員にPCR検査をするメリットは、少なくとも裕坊の目には見えてきません。

 

そもそも治療薬も治療方法も確立はしていないのですから、今感染者数を把握したところで、それはただの絵に描いた餅にしか過ぎません。治療方法が確立された時こそ、感染者数の実態の把握が、意味があるものになるのです。感染症専門医の間では、感染症の臨床経験や検査の有用性に関する科学的知見に基づいて、PCR検査については「デメリットの方が大きい」と判断しています。その意見に、我々も素直に耳を傾けるべきなのではないでしょうか。

 

 

これからも重篤患者を押さえ、ひいては死者をなるべく出さない、そして重篤症の患者を優先的に治療するという今の医療体制を、今後もしばらく続けていただきたいです。現段階では、やはりこれがベストではないか、と裕坊は思います。