yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 3/7

米国リージョナル航空会社に勤める、裕坊と申します。こんにちは。

土曜日まで4日間連続のまとまったお休みをいただき、明日から5日連続のフライトへと出かけることになりました。土曜日は本来であれば、息子くんの剣道の練習日。日本語補修校(毎週土曜日だけの開校)がある学校の体育館が、練習会場となるのですが、ここ最近急拡大を続けているコロナウィルスの煽りを受けて、

 

本日は練習中止……

まだミシガン州では、3月7日時点では感染者の報告はなし。ただ人の移動が続く限り、ミシガン州でも感染者が報告されるのは、おそらく時間の問題でしょう……アメリカのほぼ中央に位置するミズーリ州でも、初感染者が出たもよう。現在アメリカ合衆国全体では、400名ほどの感染者がいるのだそうですね(いずれも3月7日現在)。 東海岸ニューヨーク州では、イランに渡航していた女性の感染が、3月1日になって確認され、およそ1週間ほどで感染者の数が70名を超えています。

 

これ以上の拡大を食い止めるために、ニューヨーク州クオモ州知事は、土曜日になって非常事態宣言を発令……

 

裕坊が勤める会社は、デルタ航空傘下の子会社。ニューヨーク州における運航が、社内全体の3割を占めていますので、今後何らかの影響が出てくるかも知れません…

 

普段アメリカではまず見ることがない、マスク姿の方も最近では見かけることが多くなってきているんだそうです。

 

国際線、特にアジアからの発着の際には、空港職員も念入りに空港施設を除菌したり……

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これからアメリカでも、人の動きを制限する施策が出てくる可能性は大いにあり……今後の動向には、裕坊も十分注意を払って行きたいと思います。

 

今日土曜日のデトロイト地方は、空気自体はけっこうヒンヤリだったものの、雲一つない快晴のお天気……

午後4時から始まるはずだった、息子くんの剣道の練習は中止になりましたので……

 

かなり型落ちしていた愛妻ちゃんのiPadの買い替えに、アップルストアがあるモールへとお出かけしてまいりました。

 

まだミシガン州では、感染の報告が入っておりませんので、トイレットペーパーなどの買い占めなど、一部では影響もあるものの、モールなどでは普段とはあまり変わらない光景……

アップルストアでも、休日ならではの大盛況でした。それでもアップルストアでの対応は、本当に手際がいいので、待ってもせいぜい20分………

 

そのあとは、プレッツェルを食べてみたり……

 

フードコートで、夕食をいただいたり……

一度ミシガン州での感染報告が入ると、急に人の動きも変わるでしょうし、不急不要の外出を控えるような指示が出る可能性も大ですから…… そうなると、こうして外出ができるのも、今のうちかも知れません……

 

 

幸い、今回のコロナウィルスは、エボラ熱の時と比較すると病毒性がとても弱く、健常者の方であれば8割の方がほとんど自覚症状なしに治癒してしまうことが分かってきています。普段から予防を心がけ、もし自らの感染が疑われる場合には、症状が悪化させないようにまずは自宅療養に努め、どうしても高熱が続いて診察治療の必要が出てきた場合に医療機関を訪問する、といったコロナウィルスの基本的な対処法に忠実に、裕坊自身も行動していきたいと思います。

新聞等のマスコミでは、感染者数の拡大の様子や、今まで感染が報告されていなかった地域での新規の感染者のことなどを、大々的に報じています。中には検査の数を増やすことができない、日本の医療体制を批判するマスコミ等も………

 

でも皆さんには、冷静に考えていただきたいのです。ここで検査数をいたずらに増やして感染者数を把握したとしても、対応処置はなく、逆に現在韓国で起こっている医療崩壊を招きかねません……

 

 

なぜなら、感染者数を把握したところで、医療機関も対応のしようがないから……

 

 

まだワクチンもなく、確実な治療法が確立されていない現段階では、病院で受診をするにしても、病院側でもできるのは対症療法のみ。

しかも健常者であれば、自覚症状がほとんどないため、感染しているのかどうかが分かりにくい、という今回のコロナウィルスの特徴が、 余計に事を大きくしている側面も見逃せません。

 

 

もし対処法が確立しているのであれば、感染者数の把握は重要な意味を持ちます。医療スタッフの配分から治療薬、機材などの配置、配送の準備、治療スケジュールの作成など、具体的な治療計画を立てることができるのです。でも新規の感染症では、感染者数を把握したところで、結局は絵に描いたモチ……

 

感染者数をいたずらに増やせば増やすほど、社会不安を助長するだけで、住民の方達が一気に医療機関に押し寄せたとしたら…………

 

実際にこれが、韓国で現実のものとなってしまいました……

 

陽性と診断された軽症患者で病院や病床は溢れ返り、また大量検査を行うが故に医療リソースを占領されることになった挙句、医療従事者が数百名単位でウィルスに感染する事態となり、自宅隔離状態………高血圧であったり、心臓病、胃や腸などの消化器系の病気など、コロナウィルスとは違う疾患で入院していた患者が通常の診療を受けることができず、重篤患者ですら放置状態…………

 

 

これを反面教師にして、日本でこの状態が起こることを、未然に防がなくてはなりません。 ですから、現段階で最も重要なのは、感染者数の把握ではなく、死者数を抑え、そして感染を助長する環境を封じ込めることだと、裕坊は考えるのです。

 

感染者数が多く発生している国や地域からの渡航を制限し、国内でも不要不急の外出をなるべく控え、多少経済に影響が出たとしても、イベントを延期したり中止にしたり、或いは自宅勤務が可能なのであれば、自宅勤務体制を取ったり、どうしても出勤が必要なのであれば、ラッシュの時間を避けての出勤を促したりなど……人と人の接触の機会を減らし、ウィルスの感染拡大の抑え込みを狙った今回の安倍総理の決断。後手後手に回ったことは事実ですが、この判断は大いに支持されるべきに一票です。

 

クルーズ船のことも含めて、今回は前例のないことが往々にして発生しました。マニュアルでは到底カバーしてきれない事態の数々。先月受けた裕坊の年次フライトトレーニングも、それを反映したものでした。危機管理というものには、100%の答え、というのはありません。避けることができない被害の中から、最小のものを選択する、今回のコロナウィルスに関していうと、これ以外には医療従事者の方たちですら、他に選択肢がないのです。

 

 

言うは易く、行うは難し。批判をするのは簡単です。でもそれを実行するのは、決して生易しいことではありません。マスコミを通して、安倍総理の決断には、科学的根拠のないものだ、と批判をしている人もいます。裕坊は、では代案は、とその方に直接お聞きしてみたいです。よくよく吟味してみると、安倍総理の熟慮している様子が、裕坊にはヒシヒシと伝わってきます。