yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 1/31

米国リージョナル航空会社に勤める、裕坊といいます。こんにちは。

今週は火曜日から4日間のフライトへと出かけておりました。 昨日はバーモント州での1日丸々滞在。

 

前日の到着は深夜で、既に時計は12時を回っておりました……

こちらの写真は、そのさらに前日、火曜日に撮影したものですが、一般の宿泊客の方がほとんど既に寝静まった後のチェックイン……深夜に黒山の人だかりがホテルのロビーでできる時は、大抵が航空会社のクルーであることがほとんど…………

 

昨日木曜日は、滞在先のバーリントンのダウンタウンから程近い、バーモント大学のキャンパスを散策……

裕坊が大学を卒業したのって、もうかれこれ27年も前のことになってしまいますが、

 

久しぶりに、新鮮な空気を吸わせていただいた気分でした。

 

そして自分へのご褒美………

もうここのラーメン屋さんを訪れるの、3回目………

 

チャーチストリートという、バーリントンの目抜き通りにある“学”ラーメン。チャーチストリートのほぼ南端にあります。

豚骨ラーメン、醤油ラーメン、味噌ラーメンと3種類全て試してみましたが、裕坊のダントツオススメは、醤油ラーメン。豚骨も麺をカタ麺でお願いできれば、美味しくいただけます。

 

そして30時間の長時間滞在の後、我々を待ち受けているのは、怒濤の早朝ショーアップ。

小さな文字でちょっと見えにくいですが、担当したのはニューヨーク・ケネディ空港行き5時45分発。出発ゲートに着いたの、4時47分…………

 

かつて一世を風靡した、「志村けんのだいじょうぶだぁ」の夫婦コントで出てくる、いしのようこさんのお約束フレーズ「ご、ご、ごじ??」にも負けない時間でのショーアップ。それでもなぜか、いつもバーリントン空港は大混雑…………

 

外は当然のことながら、まだ真っ暗………

ちなみに、バーリントン空港の管制塔は、24時間体制ではなく、夜は深夜12時になると閉鎖。早朝は5時30分に業務再開………

 

お疲れ様でございます………

 

この時期は、雪が降っていない時でも霜が降りることが多く、今朝も飛行機にはビッシリと霜が張り付いておりました……

 

主翼や尾翼に霜が残ったままだと、離陸に必要な揚力を得られませんので、除氷液(大抵は温められたグリコール液を使います)を使って、霜の振り落とし……

 

粘性が強いので、機体の上からかけると、操縦席の窓はこの通り………

何も見えん………………………

 

それでもこの時期の運航は、離陸前の除氷の時間を考慮しているので、余程激しい積雪でもない限り、除氷をしても遅延になることは稀で………

到着先のケネディ空港には、定刻よりも10分ほど早い到着でした。

 

早起きのご褒美には、アメリカで大人気のチキンバーガー……

カロリー、やや高め……………………

 

リージョナルジェット機運航につきものの、深夜早朝の運航。

 

深夜早朝に活躍しているのは、実を言うと貨物専用航空会社も同じで……

というより国内線に限っていうと、航空部門の運航の大半は深夜早朝…………

 

都市間移動を夜間に済ませておけば、早朝に各地の空港に荷物を届けて仕分けをし……

 

荷物を昼間に、お届けすることができます。

そのため、貨物の航空会社は、大抵ハブ空港を深夜に出発。フェデックスであればテネシー州メンフィスを深夜2時から3時にかけての出発……

 

これを英語で、"flying on a back side of clock"と呼びます。早い話、昼夜逆転での運航……

 

 

かつては我が社でも、貨物航空会社に近いパターンのフライトを担当していた時期がありました。

 

それが、大学のスポーツチームの移動などをお手伝いするチャーター便。

 

チャーター便というと、このようなプライベートジェットを使って、

 

大きなソファに座って、優雅に移動というイメージがありますが…………………

 

同じチャーター便といえども、裕坊が担当していたのはリージョナルジェット機を使ってのチャーター便ですので…………

外見の見た目自体は、ほとんど一緒なのですが(というよりも、実質2つ上の写真にあるボンバルディア製チャレンジャー600型機と胴体自体はほぼ同型機)…………………

 

中身は大違い………………

狭い機内で、申し訳ございません………………………

 

実際に手助けをさせていただいていたのは、バスケットボールチームが中心……皆さん大きな体を屈めるように、無理やり座っていらっしゃいました……

 

ボンバルディア製のリージョナルジェット機ですと、搭乗口に階段がついているので、

乗り降りの際に、大型機に使うようなタラップを使用する手間が省けるので、とても便利……………

 

昼間の移動ともなると、経費も嵩みますので、大学スポーツチームのように予算が限られた中での移動となると、移動が少なく宿泊費も節約できる深夜が、どうしても移動の中心時間帯になっていたようです…

多かったのは、試合後遅くお迎えのパターンで、深夜1時にボルチモアを出発して、デトロイト・メトロポリタン空港のお隣にあるウィロー・ラン空港へのお届けだったり………シカゴから程近いインディアナ州のサウスベンドから、ルイジアナの田舎町まで、或いは試合後、その逆のルートをお届けしたこともありました。

 

大学の試合のスケジュール、大学の敷地に合わせるような形でのチャーター便の運航ですので、一般の旅客ターミナルではなく、普段定期航空会社の往来がない、チャーター機専用の駐機場に飛行機を止めて、バスケットボール選手をお迎え、お見送りしたことも……

大型バスに乗って行く選手たちをお見送りし、空になった機体を、明け方になって我が航空会社の整備庫がある空港まで運んで、整備庫にて任務終了なんてこともありました……

 

リージョナルジェット機運航に携わる者ならではの、深夜早朝運航の思い出の一つです。

 

 

来週もまた、その深夜早朝の運航、やります…………