yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 1/13

アメリカの航空会社で、リージョナルジェット機の先頭座席によく座っている、裕坊といいます。こんにちは。

先週、体調が優れないにもかかわらず、無理を押して5日間のフライトへと出かけていながら、2日目でダウンして帰宅していた裕坊。ほぼ1週間家でゆっくりと静養の日々………

 

亀の歩みのように、遅いペースながらもやっとのことで胸の炎症もほとんど消え去り、

ほぼ99%回復……

 

先日愛妻ちゃんに付き合って、お買い物に出掛けた時などは、まだ胸の辺りの違和感が拭いきれず、不安もありましたが、その症状もほとんど消え去って、木曜日からの2日間のフライトには、なんとか復帰できそうな見込み………両日とも担当便が1つずつですので、復帰戦にはうってつけ。あと2日間、しっかりと体調を整えます……

 

ご心配をおかけいたしました……

 

 

昨日辺りには、胸の炎症のような症状もほとんど消えておりましたので、お布団の中にもぐったまま、各パイロットに課されているオンラインの座学も少しお勉強。

パイロットは資格取得後も、その資格を維持するために講義を受けたり、飛行訓練を定期的に継続したり(最近では、ほぼ例外なくシミュレーターが使われます)技量を落とさないように、様々な課題が課されます。定期航空会社の場合には、航空法で定められたガイドラインの沿って、訓練課が座学と飛行訓練の日程を作成。

 

座学が年に一度というのは、以前と変わっていませんが、大きく変わったのは座学の内容の半分以上を、各自携帯しているタブレットにて履修できるようになったこと…… 会社の規定などが記載されたマニュアルやら、各空港の滑走路のレイアウトや出発、到着経路などが掲載された空港情報などは、以前は紙の媒体を使っておりましたが、全てタブレットに置き換えられ、それに合わせるように座学の内容もタブレットで履修ができるようになり、その分本社での座学に課される日数はかなり短くなりました。

裕坊の入社当時は、ほぼ1週間がかりだったのが、今では実質2日間…………

 

そして同じく年に一度は、飛行訓練………

我が社の場合、シミュレーターがあるミネアポリスにて…………

 

行くのは来月…………

 

2月のミネアポリスといえば、極寒の真っ只中…………

実を言うと、副操縦士から機長へと昇格したのが、今から8年前の2012年。飛行訓練がその年の2月に終わったので、それ以来年に一度の飛行訓練も、それに合わせるように、この時期に組み込まれております。これが南部の暖かいとこでの訓練なら、喜んで行くんやけどな〜〜……………

 

 

タブレットを見るだけなら、十分すぎるほど体力も回復しておりましたので、ここ数日はYouTubeのピアノの動画を見たり、最新のニュースなどをいろいろと検索したり………

 

 

イランにおけるウクライナの旅客機の墜落事故………

ちょっと残念な結果でしたね………

まぁ政治的な背景があったにせよ、墜落事故直後から事故機の残骸を集めずに、真摯に事故調査を進めて欲しかったです……

 

 

そして他の航空業界のニュースの中で目を引いたものといえば、三菱製の新型旅客機、「MRJ」改め『スペースジェット』。

納期が遅れに遅れた中で、いよいよ最終試験機である10号機が完成………

 

従来の機体のままだと、実機販売納入に必要となる型式証明が取得できないと指摘されて、飛行制御回路の配置をほぼゼロからやり直し、2箇所に振り分けるという「大手術」を施して、最終試験機の完成に漕ぎ着けたらしいです。納期の大幅な遅れを、これ以上遅らせないために、ヨーロッパから数がただでさえ少ないと言われる、配線専門の技術者を雇ってまでの苦肉の策だったのだとか………

 

名古屋から今後アメリカ西海岸のワシントン州モーゼスレイクへと飛行し、型式証明取得に向けての最終試験飛行に臨むそうです。今後の日本の基幹産業に育て上げるためにも、是非成功を祈りましょう。今年半ばの初号機納入までには、まだまだ壁があるようですが、ホンダも苦悩の末、涙ながらにプライベートジェット機の型式証明取得へと漕ぎ着けました。日本の技術力の結集を、心から祈っています。

 

 

そして裕坊の目を引いた、もう一つの話題といえば、 先週までラスベガスにて開催されていた、コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES:北米での家電機器見本市)。

 

その中でも一際目立っていたといわれるのが、ソニーが開発する電気自動車。写真は、その見本市に出展された「ビジョン S」のプロトタイプ。

ただクルマ製造・販売の実績がないソニーが、自ら自動車を製造して販売しようという目論見があったわけではないらしく、今後の電気自動車の技術や部品を、自動車メーカーに売り込む、というのが目的だったらしいです。

 

そもそもかつてはトリニトロン(裕坊の父親も、開発に従事しておりました)、ベータマックスなど、画像系の技術では世界を牽引してきたソニー。そのDNAは半導体に技術の中心が移った後も脈々と受け継がれ、現在ではiPhoneを中心とするスマホ内蔵のカメラにはなくてはならない重要な技術の一つが、取り入れられています。

 

それが『CMOS』と呼ばれる、半導体を利用したイメージセンサー

実はスマホに内蔵されているカメラの技術は、このソニーの技術が盛り込まれているのだとか………

 

ソニーが生産するこの「CMOSイメージセンサー、世界のスマホのほぼ半分のシェアを占めているのだそうです。その技術を、自動運転、さらにはその発展型ともなる自律運転装置のセンサーとして、重要な部品になるのだとかで。

 

半導体政策の失敗が大きく影響して、スマホの完成品市場では、アメリカや韓国の後塵を排している日本ですが、技術力部門では世界をこれからも牽引して欲しいです。トヨタかホンダ辺りと提携すれば、ソニーのロゴが入ったクルマなんてのも見れるかも………

 

そんなクルマに乗ってみたいな〜〜………

 

 

 

何とか木曜日からの復帰を目指します。もう風邪のウイルスさん、我が家に寄ってこんといて………………