yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 8/15

皆さんこんにちは、リージョナル航空パイロット、裕坊です。

日本で有給休暇の前半を1週間過ごし、後半をハワイで過ごして、先週末にデトロイト近郊の自宅へと帰宅。さらに数日の骨休めを経て、昨日水曜日から4日間のフライトへと出発しました。まだ頭はバケーションモードのまま、なかなかスッキリとはフライトに戻れず……頭の中で、有給中の思い出が、頭をグルグルと駆け巡り……

 

初めて訪れた山梨県甲府市では、信玄さんを拝んだり、代表的な甲府の郷土料理である「ほうとう」に舌鼓を打ってみたり……

 

帰途で訪れたハワイでは、こちらもお約束のコナコーヒーをいただいたり、

 

アサイボールに、

 

マカデミアナッツのパンケーキ…

 

初めて訪れたハワイ島では、火山を感じてみたり、

 

滅多に観光客が訪れることがないオアフ島西海岸では、綺麗な夕焼けの景色を拝んだり…

今年も本当にいい夏休みを過ごしました。

 

次の休みまで、また仕事を頑張らんといかんな〜〜…

 

で、次の休みは、いつになるんやろ…………

 

切り替えがなかなかできない裕坊。そんな思いをなかなか断ち切れないまま、4日間のフライトへと復帰…

 

 

この時期は入道雲があちこちに上がっては行く手を塞ぎ、主要基幹空港へと入るフライトが影響を受けるのですが、幸いお天気はほぼ影響なし…それはよかったのですが……

 

いきなり…………

写真右下にある赤い札が、クセモノ……これは、故障が発生したことを引き継ぎのクルーに伝える印。

ニューヨーク州のある都市から飛んできていたクルーによると、どうやらエアコンの調子が今一つだったらしいです……

 

飛行機のエアコンは、エンジンから取り込んだ吸気の一部を使って、

温度を調節した上で、機内へと送る仕組み。ジェット旅客機の巡航高度は、だいたい1万1千メートル。高高度まで上がると、外の気圧は相当下がりますから、機内と外の気圧が一致してしまうと、よほど肺を鍛えていないと、一般人では到底耐えられません。ですから、大抵25度前後に温度調整された空気を、機内へと送り込み、客室内の気圧も調整することによって、健常な方であれば問題なく耐えられる気圧を保っておきます。

 

これを『与圧装置』と呼び、巡航高度3万7千フィート(およそ1万1千メートル)まで上昇した場合、機内の気圧は、大抵の旅客機では、富士山の7合目とほぼ同等の気圧に調整されます。2つある「与圧装置」のうちの1つが、裕坊が担当する機体で、今一つ調子がよくなかったらしく……

 

しばらく整備員が点検……

 

修理までするには至らず、調子が悪かった方の「与圧装置」を故障品登録(MEL)した上で、 それを示すシールを、「与圧装置」のスイッチの横に貼り付けた上で、出発しました。

それでも、時間にすると1時間30分の遅れ…

 

こちらが復帰戦1便目の目的地だった、カナダのモントリオール

天気がよかったのは、幸い…

 

最終目的地は、トヨタの北米最大の工場「TMMK」があることでも知られる、ケンタッキー州レキシントン

ここの空港のすぐ目の前には、ケンタッキーダービーの前哨戦となる「ブルーグラスステークス」が開催される「キーン競馬場」や、至る所に競走馬飼育で知られる牧場が、数多く並んでいることでも知られています。空港周辺の芝の色は、本当に青々。

 

それに因むように、この空港のニックネームは、そのまま「ブルーグラス空港」とつけられました…

 

こちらは、昨夜宿泊のホテル。

到着したのは、実は夜中過ぎの12時半……

 

クラシックな内外装で知られる、観光客にも人気のホテルなのですが、実をいうと今改装の真っ最中……

 

他のリージョナル航空会社のクルーとともに、ホテルまでやってきましたが……

部屋に着くまで、民族大移動で、全員自分のカバンを引きずるように、自らの手でカバンを持ち上げて階段を上り下り……

 

障害物競争やないんやから……

 

部屋の中は、オシャレに飾られていますので、

部屋の中に入ると、やっとホッと一息……

 

なんだかんだで、復帰初日3便を、無事こなし切りました…

 

 

既に今日木曜日も3便をこなし切って2日目を終え、明日も初日、2日目同様、3便を担当です。