皆さんこんにちは、「今3日間の羽休めをしている」リージョナルジェット機運転手、裕坊です。
4日間のフライトが先週の土曜日に終わって、翌日から本当なら5連休が入っていたところ、またも月曜日に休日返上で、日帰りのフライト。デトロイトから出発して、3便を担当し、ニューヨークで担当便を終えて、デトロイトまで乗客の皆さん方とともに搭乗して、3時ごろには終わるはずでした……
1便目、2便目は順調。両便ともほぼ定刻の到着。
ところが、3本目のニューヨーク・ラガーディア空港行きが、こんなお天気に悩まされることになり……
滑走路へと向かって、タキシングを始めた時に、管制塔からニューヨーク行きの全便が離陸停止になったと通告…………
途中の誘導路で、待つことほぼ2時間…
その間に、裕坊達の目の前を、他の目的地へと向かう出発便が、次々に通り過ぎていきます……
燃料的には、あと2時間ほど待機した上で出発しても、全く問題ないくらいの余裕があったのですが、実はアメリカの航空会社が国内線を運航する際は、アメリカ運輸省が管轄する、ある規則を遵守しないといけないので、一旦ゲートへと引き返すことに。
遵守しなければならないのは、アメリカ国内在住の方ならよくご存知の、アメリカ運輸省(US Dapartment of Transportation)が定める、3時間規定(DOT 3 hour rule)。2010年に施行になり、現在アメリカ国内線では、ゲート出発から3時間以内の離陸、もしくは着陸後から3時間以内のゲート到着が義務付けられています。
もし、この規定を遵守できなかった場合は、航空会社にはかなり高額の罰金が科されることになっていて、その罰金額……
乗客一人当たり……
なんと……………………27,500ドル………………………………
およそ300万円…………………………
しかもこれは乗客一人当たりですので、もし乗客200名を抱えたまま、この規定に違反すると、その罰金額…………
550万ドル……………………
円に換算すると、およそ… 6億円………………………………………………
きっかけは、2009年に特に頻発した、着陸後のゲート到着までの遅延。
そのうちの例の1つとして、ニュースにまでなったのは、コンチネンタル・エクスプレスのヒューストン発ミネアポリス行き。
猛吹雪の天候状態にあった本来の目的地であるミネアポリスに着陸できず、
この時は、そのすぐ南にあるローチェスター空港へとダイバート。
ところが、ローチェスター空港着陸は深夜。到着便を捌くことができる地上係員が、その時間帯には1人しかおらず………
その係員は、ゲートへの機体の誘導を1人ではできないと拒否……
結局駐機場の外で、ボーディングブリッジが据え付けられないまま…
乗客乗員50名(乗客47名、乗員3名)は、翌朝までほぼ7時間閉じ込められることに……
アメリカの格安空港の代表格、ジェットブルー(jetBlue)でも似たようなケースがありました。フォートローダーデールを出発し、ニュージャージー州にあるニューアーク空港へと向かっていたエアバス320型機。コンチネンタル・エクスプレスと同様、本来の目的地に着陸できず、代替空港へとダイバートして、このときも7時間待ちになったそうです。
旅客ターミナルの駐機場が比較的広く、使い勝手自体はとてもいい、コネチカット州のハートフォード空港へとダイバートしていたジェットブルー機。ただダイバートしてきていた機体の数があまりに多かったそうです。
ダイバートしてきた機体の数、なんと23便にもなったのだとか……
この時は、その23便もの便数を、空港側が捌ききれず、フォートローダーデールを出発していた便は、結局再給油のためのゲート入りまで、7時間待ち。
米国運輸省が捜索する事態にまでなりました。
米国連邦政府としても、この事態をさすがに看過するわけにはいかず、
2010年に、運輸省管轄の新しい法律が施行。この3時間規定により、各航空会社ともゲート出発後2時間以上離陸できなかった場合には、離陸の順番が既に決まっている場合などを除いて、例外なくゲートへと戻るように、マニュアルにもはっきりと記載がされるようになっています。
そんなわけで、裕坊たちも、一旦ゲートへと引き返して、再給油。
ここで旅程を変更したい場合は、大抵無料で航空会社も予約の変更などに応じてくれます。
結果的に4時間近く遅れての出発。下の地図でDCAとあるのが、アメリカの首都のワシントンから近い、ワシントン・ロナルド・レーガン空港(DCA)。その近辺にずっと積乱雲が居座る形になり、ワシントン周辺の空港へと向かう航空機で混雑したのが影響して、天気自体は全く問題がなかったニューヨークへの空港へと向かう便にまで影響しておりました。
結局、ニューヨークからデトロイトへと帰る「デッドヘッド」のフライトも、1本遅らせて本来の搭乗予定の4時間後の出発……
しかも、その「デッドヘッド」の便まで1時間遅れ…
デトロイトに到着する頃には、ほぼ9時になっておりました。
一昨日月曜日は3時起きで、我が家に帰ったのが10時ごろだったこともあり、昨日火曜日は1日何もできず……
その間、日本ではいろいろな出来事が起こりましたね…
その中でも気になったのは、人口減少のニュース。43万人減というのは、昭和43年の人口動態調査開始以降、最大なんだそうです。
そしてもう一つ気になるニュースが…
ブルームバーグニュースによると、トランプ大統領が、どうやら「日米安保」への不満を言及したそうで…
トランプ大統領によれば、「日本が攻撃されたら、我々米軍は日本を守らなくてはならないのに、我々アメリカが攻撃されても、日本は我々を守らなくてもいいというのは、あまりにも不平等だ」そうで…………
不動産王であるトランプ大統領……ビジネスマンらしい発言ですね。
そもそも「日米安保」は、戦前日本軍を見下していた米軍の予想以上の日本の善戦に、日本という国の脅威を思い知ったアメリカが、日本を非武装化させるために結んだ条約。もちろん時代は変わり、日本にとってもアメリカにとっても、「日米安保」が意味するものは、条約締結時とは大きく変わりました。
ただ今の日本にとっては「日米安保」は中国からの脅威を食い止める、とても強力な防波堤。尖閣諸島のみならず、沖縄の領有権もないと主張する中国は、「日米安保」がいざ解消されるとなると、尖閣諸島をほぼ間違いなく強奪へと動くでしょう。
日本の国防を、真剣に考える時期に来ていると思うのは、裕坊だけでしょうか。