yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 5/10

皆さんこんにちは、航空会社フラリーマン裕坊です。

今朝はデトロイトを出発してまずはニューヨークのケネディ空港まで。飛行機を乗り換えてアメリカの北東の端にあるメイン州ポートランドまでやってきました。こちらニューイングランド地方の海岸沿いの都市といえば、なんと言ってもシーフード。ロブスターだカニだといったシーフードが一年を通して食べられます。今日の最後の担当便、ニューヨーク・ラガーディア空港行きまで4時間あるので、普段はあまり立ち寄らない空港内のシーフードのお店でこんなものを食べています。

前菜がこちら、クラムチャウダー

あくまでメニューの上ではサラダなのですが、ベジタリアンの方たちにも十分満足してもらうための配慮なのか、こちらの野菜サラダはかなりのボリューム。食べても食べてもお皿の底が見えてこない……………………昼食にしてはもう十分すぎます。多分夕飯の時間になってもお腹はいっぱいなままな気が…………………

あ、ちなみにほんのちょこっとゼイタクして、ロブスターつきの野菜サラダを食べちゃいました。こんなもの食べちゃうと、どうしても自慢の画像を愛妻ちゃんに送り付けたくなってしまいます。ちょうど息子くんをお迎えに行く時間でこの画像を自慢げに送りつけると、怒りマークの返信💦…………………今度の日曜日は母の日。満開の桜を見に行って、しっかり母の日を堪能させてあげたいと思います💦

今日ケネディ空港へ到着して、飛行機を乗り換え。操縦席に着いてみると、こんな感じの風景が目に入ってきます。

黄色いシールが上の方に2つ、奥の方に4つ、正面にあるスクリーンの下の方に貼っているのが見えます。実はこれ、全て『これ壊れとるから、使わんときや』ステッカー。実はこの写真には写っていませんが、もう一つ裕坊の座る機長席の前にあるスクリーンの下にももう1個貼ってありました。合計7枚…………………………

実は旅客機は全ての装備品が機能していないとフライトはしてはいけない、というのが前提。それでも機械ですからどうしても故障は起こります。まー、これくらいならしゃーないかというものから、もうカンベンしてよというものまで、故障品も様々。安全なフライトには直接影響がなければ、連邦航空局が認める範囲の中で故障品に登録して、それを整備簿に記載。故障した部品を直接把握できるようにするために使われるのが、黄色のステッカー。これを旅客航空業界用語でMinimum equipment listと呼び、通常MELとクルーの間では呼んでいます。

各フライトに出発するときはこんな感じの飛行用の書類をゲートの係員から受け取るのですが…………………

この赤く囲んだ部分に記載されているのが故障品。そのうちの一番上、もうお分りいただけるかと思いますが、実はこの便の飛行機、自動操縦が故障しておりました。普通は離陸後数分して自動操縦に切り替えて、そのあとはゆったり座っているのですが、今日はずっと着陸まで操縦桿握ってました。自分がパイロットであることを今日はとても実感できる日でした……………………

これからニューヨーク・ラガーディア空港へと向かいますが、積乱雲が発生する季節になり、その怪しい影がニューヨークに近づいてきています。既に裕坊担当のラガーディア行き、30分の遅れ。恐らく搭乗を定時に始めて、離陸まで30分ほど待機。そこでそのまま宿泊滞在なのですが、この2日間のフライトで一緒に飛んでいる副操縦士のニックくん、前回常宿のホテルに向かうのに、裕坊の前回の宿泊滞在のときと同じようにタクシーの列に並んでホテルへ向かったようです。多分同じことが今晩も起こると思います。もうその情景が2人の頭の中に浮かんでいます。裕坊もニックくんも既に気分が沈んでいます……………………

 

裕坊