yuichibow’s blog

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 4/27


皆さんこんにちは、航空会社フラリーマン裕坊です。

いきなり皆さんの目を釘付けにしてしまいそうな写真を載っけてみました。夏になるとよく目にする光景ですね。今日から日本はいよいよゴールデンウィーク。週末はまずまず全国的にお天気も良好なようです。航空気象の予報を見ていても、かなり穏やかな予報になっています。

RJAAは成田空港、RJBBは関空

成田空港は午前5時現在の気温が14度。予報では北からの風が3メートルでほぼ快晴。視界を遮るものもなし。

関西空港周辺も同じように午後5時現在の気温が14度。予報では北東から約4メートルの風。ほとんど雲のない快晴で、とても凌ぎやすそうです。週末もまずまず穏やかな日が望めそうです。この週末はお出かけ日和になりそうですね。

こんな風に航空気象予報に記載される情報量が少ない時は、大抵お天気であることが多いですね。ではもし、雨や雪、積乱雲や霧などが出て来たら航空気象ではどんな風に掲載されるのか、ちょっと今日は解説してみます。

今日はアメリカ東海岸のボストン、ニューアーク、またフロリダ州のマイアミでそれぞれ雨や霧などが発生しているようなので、その情報を取り上げてみました。

KBOSとはボストン・ローガン国際空港。そのボストンの気象状況を取り上げてみます。

KBOS 271954Z 06007KT 3SM RA BR FEW032 BKN048 OVC060 09/08 A2983 RMK A02 PRESFR SLP101 P0011 とあります。

発表時刻がグリニッジ標準時で4月27日19時54分。日本時間だと28日の午前4時54分、アメリカ東海岸東部時間は夏の間はグリニッジ標準時から4時間遅れますので、ボストン現地時間だと27日午後3時54分ですね。

風が60度の方向、北東から7ノット、およそ3メートルで視程が3マイル、およそ5キロとあります。その次に出てくるRA、BR、これが今のお天気の様子を示しています。想像いただけたかも知れませんが、RAとはRainの略。すなわち雨。現地時刻午後4時現在で雨が降っていることを示しています。その後ろにあるBRは英語ではMist、もやのことを指します。雨のために少しもやがかかっていて、視界もほんの少し遮られているようですね。

予報の方はどうなっているでしょう。

272006Z 2720/2824 10007KT 3SM RA OVC035

FM272030 09007KT 2SM RA OVC015

FM272200 07007KT 3SM −RA OVC008 最初の3行がこうなってますね。

気象予報が作成されたのがグリニッジ標準時で27日午後8時6分。現地時刻で午後4時に作成されています。この予報が使えるのはグリニッジ標準時で27日午後8時から28日24時まで。現地時刻では27日午後4時から28日午後8時まで有効です。

風向風速は100度、ほぼ真東から7ノット、約3メートルの風。視程が3マイル、およそ5キロ。そのあとに気象状況と同じくRAとあります。予報でも雨になっています。そしてOVCですから雲で空が完全に覆われてしまい、雲底が3,500フィート、およそ地上から1,000メートルの高さに雲があるとの予報です。

次の行に行くとFM272030 09007KT 2SM RA OVC015 とあります。

ここのFMとはこの時間からという、英語でのFromを意味します。グリニッジ標準時で27日午後8時30分 現地時刻では午後4時30分からの予報ですね。まず風向風速が90度の方向から、すなわち真東から7ノット、凡そ3メートルの風。視程が2マイル、およそ3キロへと落ちます。そしてRAとありますから、まだ雨が続くようです。その前まで3,500フィート、1,000メートルの高さにあった雲は1,500フィート、およそ地上から500メートルのところまで下がってくるようですね。湿気を多く含んだ空気がたくさんやってきていることが予想できます。

次の行は FM272200 07007KT 3SM −RA OVC008 となってますね。

グリニッジ標準時で22時以降、現地時刻では午後6時以降、風向風速はほとんど変わっていませんが、視程がほんの少しよくなり、3マイル、およそ5キロに回復する予報になってします。そして−RAとありますね。これは降雨の強度、激しさが少し緩やかになっていることを示します。−がつけばあまり降雨が激しくなく、+がつけば激しい降雨であることが示されます。−RAですから、小雨の予報だということですね。もし+RAと表示されると豪雨、大雨のことを表します。午後6時以降が小雨になるようですから、雨がひと段落すると考えていいようです。

このように何か特記するべきお天気の現象が予想される時は、2文字のアルファベットからなる記号でもって、気象の現象を表記します。この気象現象、視程と雲底の情報に間に表記されます。ここに何かが表示されると、悪天候を示すことが多いのです。

次の段に行きますと、KEWRで表示される気象状況と予報とがあります。これはニューヨークのすぐお隣、ニュージャージー州にあるニューアーク空港。予報の第4行目を見てみてください。FM280700 VRB03KT 1/2SM FG VV004 とありますね。

視程が2分の1マイル、すなわち0.5マイルですから、メートル法に換算すると800メートルほどにまで落ちているのが分かります。その後ろにあるのがFG。これは英語でいうところのFog。すなわち霧ですね。霧が少しかかっていて、視界が悪くなることが予想されています。

ちなみにこの行、風向風速のところが VRB03KT となっていて、さらに雲底の情報のところが VV004 となっています。これは風向が安定せずに変わりやすい状態であることを示しています。英語ではVariable。大抵ほとんど無風に近い状態で示されることが多いです。そして雲底のVV003。これは英語ではVertical Visibilityといい、はっきりと雲とは特定できないが、真上に向かってどれほどの視程が効いているのか、を示しています。単位はフィート×100。003ですと300フィートなので、垂直方向には90メートルほどしか見通しが効いていないことを表します。視界が全体的にあまり効いていないようですから、高速道路などを運転する際に、ちょっと注意をした方がよさそうですね。

最後にKMIA、マイアミ国際空港の気象状況と予報を見てみます。

気象状況を見ると、KMIA 272002Z 18008G19KT 7SM −RA FEW022 BKN070 OVC110 22/22 A2986 RMK A02 LTG DSNT ALQDS CB となっていますね。

現地時刻で午後4時現在、風が南から8ノット、およそ4メートルの風、そこでG19KTとあります。風向風速のあとにGとある場合は突風が吹いていることが分かります。GとはGustの略、突風。最大風速19ノット、およそ10メートルのやや強い突風が吹いているようですね。

視程は7マイルでおよそ10キロの視界、−RAとありますから、小雨も降っているようです。雲は完全に空を覆っていて、気温が22度、露点温度も22度ですから、空気中にしっかりと湿気が含まれているのが分かります。

予報を見てみます。1行目と2行目に注目です。

KMIA 271720Z 2718/2824 17008KT P6SM SHRA VCTS SCT030CB BKN050

TEMPO 2718/2719 P6SM TSRA SCT025CB BKN045 BKN080

となっていますね。予報が作成されたのはグリニッジ標準時で午後5時20分、現地時刻午後1時20分。この予報はその日の午後2時から翌日の現地時刻8時まで有効。南からの風8ノット、およそ4メートル。視程はアメリカではマイル表示でその前にPがつくとそれよりも視界がいい、ということになります。P6SMですので、最低6マイルの視界が確保できるということですね。日本では9999と表示されます。

次の4つのアルファベットからなる2つの現象に注目です。一つ目がSHRA、次がVCTS。RAは雨。SHがつくと”にわか”であることが表記されるのですね。すなわちSHRAでにわか雨であることが分かります。にわか雨がどうやら空港で降る予報になっているようですね。次がVCTS。VCとは英語ではVicinity。近隣の地区でという意味で、直接空港の上では起こっていないが、航空機の運航上影響がある可能性がある場合に表示されます。そして次に来る2文字。TS。これは英語でThunderstormの略。サンダーストーム、日本語では雷電と呼ばれます。ゲリラ豪雨などをもたらす雷雨などが発生する場合に大抵使われる記号です。

次の行に行ってみます。TEMPO 2718/2719 P6SM TSRA SCT025CB BKN045 BKN080 とあります。

TEMPOとは英語でTemporary。一時的なという意味です。テレビなどのお天気情報でよく一時雨とか一時雪とか使われるやつです。グリニッジ標準時で午後6時から午後7時にかけて起こる一時的な現象の予報が書かれています。P6SMとありますので、視界には問題なさそうです。次が問題。TSRA。TS、すなわち雷電、そしてRAとありますから、雷雨がかなりの確率で発生することを示していますね。現地時刻では午後2時から3時の間になっていますから、その時間帯の雷雨には注意した方がよさそうです。

そしてその次のSCT020CB。空を半分ほど覆っている雲の一番下の部分は地上から2,000フィート。およそ600メートルのところから上に向かって伸びています。実はCB、これはCumulonimbosといって、雷雨をもたらす大きな積乱雲、通称入道雲って呼ばれる雲なのですね。雷雨に伴う入道雲が発生するのが、予報にもしっかりと記載されています。

既に時期が過ぎてしまいましたので、もうしばらく予報の中でも見ることはありませんが、SNは雪、FZRAとあると雨氷。DZであれば霧雨など、インターネットを使うとそれぞれの記号もすぐ検索できます。最近の天気予報は以前に比べて格段に精度が上がりましたが、さらに正確にお天気を知りたければ、この航空気象、かなり役に立ちます。正確な時間で掲載されていますから、雨や雪がいつ降りそうか、どれくらいの割合になりそうかなど、皆さんの普段の生活にもお役立ていただけると思いますので、是非活用してみてください。

かなり長くなってしまいました。本当にお付き合いありがとうございました。裕坊もさすがにここ2週間ほどバタバタでしたのでちょっとクタクタ。歯医者さんの支払い、そのままになってます。支払いの準備できているのに、ずっと滞納のままです。T先生、ごめんなさい……………………

 

 

裕坊