yuichibow’s blog

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 4/26

皆さんこんにちは、航空会社フラリーマン裕坊です。

今朝はアイオワ州の州都デモインのダウンタウンの端にあるホテルで朝食を済ませて、部屋に戻ってコーヒーをすすりながらキーボードを叩きます。今日も昨日に続いて夕方ゆっくりの出発。しかも担当便1本だけ。外は快晴で気分もゆったり。たまにはこんなことがあってもいいいよなー、と幸せな気分に浸る裕坊。

その一方で昨日のニューヨークは濃い霧に包まれていたようで、軒並み2時間、3時間の遅れ。ニューヨークでの離発着があった我がエンデバー航空のクルー、皆こぞって夜中の2時、3時くらいまでフライトをこなしていました…………………やっぱり天気の影響は大きいですね。ということで今日もちょっと航空気象の読み方、今日は予報の読み方を解説してみました。

昨日のブログを上げたときに使った気象予報をそのまま使ってみます。

昨日は気象状況の読み方を書いてみました。予報も基本の読み方は同じ。そこに時間の要素がほんのちょっと加わります。

ではTAF RJAA 251700Z のところから。TAFとはこれが航空気象予報ですよ、ということです。次の4つのアルファベットRJAA、これが空港の記号。RJで始まると日本の空港で、RJAAだと成田空港。RJBBなら関空でRJGGならセントレア、RJTTなら東京羽田。

次に251706Zとあります。これはこの予報が作成された時刻を示します。使われる時間はグリニッジ標準時。25が日付で25日。1706が時間。すなわちイギリス時間で午後5時6分。日本時間を出すには9時間を足すといいです。するとこの予報が日本時間で4月26日の午前2時6分に作成されたことが分かります。(昨日のブログで8時間と間違って書いておりました。申し訳ありません)

次に書いてあるのが 2518/2700。これはこの予報が有効な時間帯。4桁のうちの最初の2桁が日付で後ろが時間。同じくグリニッジ標準時を使います。イギリスからの時差が9時間。それで計算すると日本時間で4月26日午前3時から4月27日午前9時間まで有効であることが分かります。

次が予報の本文。

01006KT 9999 FEW020 SCT030

BECMG 2601/2603 08006KT

BECMG 2615/2618 36003KT

順番は風向風速、視界の効き(視程)、雲の高さ(雲底)の順に並びます。もし雨や雪、あるいは霧やゲリラ豪雨をもたらす積乱雲などが予想されるときは、視程と雲底の間にその予報が入ります。

まずは風向風速から。

01006KTの最初の3つは風向。北が360度、東が90度、南は180度で西なら270度の方向。010度の方角ですから風はほぼ真北から吹いていることが分かります。次の2桁の06KTが風速で単位はノット。6ノットの風が吹く予報になっています。日本のお天気チャンネルで使われるのはメートル/秒。ノットの数字を単純に2で割ってください。するとメートル/秒に換算できます。6ノットであれば3メートル/秒です。予報ではほぼ真北からおよそ風速3メートルの風との予報ですね。歩いていてほとんど気になる風ではないようです。

次の4桁が視程。どこまで先が見えるのかが分かります。単位は日本のはメートル、アメリカだとマイルが使われます。9999とありますので、視界を遮るものはなさそうですね。1000を切ると霧が出ることが予想されますので、運転などのときに注意をした方がいいようです。

次が雲の状況です。この日の成田は FEW020 SCT030 と書いてあります。まずは最初の3つのアルファベットから。雲が空を覆う割合に応じて、5つの記号が使い分けられます。

雲が少ない方から SKC FEW SCT BKN OVC。

SKCはSky Clearの略ですなわち快晴。雲がない状態ですね。FEWとは英語でかなり少ないの意味。ほんの少し雲が出ているものの、量はかなり少ないことを示します。SCTはScatteredの略で、雲が空全体に散らばるように広がっていることを表します。BKNはBrokenの略。雲に少し切れ目が入っている状態。ほとんど空が雲で覆われている状態です。OVCはOvercastの略で、完全に空が雲で覆われてしまっていることを示します。

その後ろに来る3桁の数字が、雲の一番低い部分の地上からの高さを表します。単位はフィート。020であれば2,000フィート。これに0.3をかけるとメートルが算出できます。020すなわち2,000フィートであれば、雲の一番低い部分が地上から600メートルの高さにあることが分かります。

雲の量が多く、さらに高度が低ければ低いほど空気が湿っていて、雨や雪などが降る確率も高くなります。逆に雲の割合が少なく高度が高い位置にあると、空気が乾燥していることが多いので、晴れる確率が高くなりますね。

この日の成田は FEW020 SCT030 ですから雲の一番低い部分は地上から600メートル、900メートルの位置にあり、そんなに雲の割合は多くありませんから、取りあえずお天気は持ちそうな感じです。

次の行のBECMG。これはBecomingの略で、徐々にお天気が変わっていく予報が入力されます。最初の行で 2601/2603 08006KT とあります。最初の合計8つの数字で表されるのが時間帯。同じように日付時間/日付時間で読んでいくと、グリニッジ標準時で26日午前1時から26日午前3時、すなわち日本時間で26日午前10時から26日午後12時の間にかけて、風向風速が080度の方向、6ノットへと変化する、と読み取ることができます。すなわち3時間の間に徐々に風がほぼ真東からに変わり、風速はそのまま3メートル/秒であることが分かります。

次の行も同じように読むことができます。日本時間で27日午前12時から27日午前3時の間に、風向がまた真北に戻り、風が弱まって1.5メートルの風になることが分かります。

またまたずいぶんと長くなってしまいました。本当にお付き合いありがとうございます。次は雨や雪、霧や積乱雲などが予想されるときの予報を追ってみますので、またお付き合いください。

 

裕坊