yuichibow’s blog

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 3/31

皆さんこんにちは、航空会社フラリーマン裕坊です。

タイトルにある通り、徐々に回復に向かいつつある裕坊。今日は愛妻ちゃんも動けるようになって、裕坊は主夫ならぬ主婦の称号を愛妻ちゃんに返上して、1日何もせずコタツの中でグッスリ。寝たり起きたり。おかげで体はラクになり、明日には何とか復帰できそうになってきました。あとは鼻の詰まりが治るかどうか………………

地上での仕事であれば、ほぼ間違いなく復帰できるくらいにまでは回復。ただ2時間以上も飛ぶフライトになると、機内の気圧の変動が激しくなるので、鼓膜への影響が大きくなりますから、そこは慎重に………………

旅客機が巡航するとき、特に洋上飛行ともなると、その巡航高度はだいたい40,000フィート。海抜12,000メートル近くにまで上昇します。そのときの飛行機の周りの気圧は地上の5分の1くらい。健常な成人であっても到底酸素の供給量が足りなくなります。そこで使うのが機内の与圧装置。簡単な図が見つかったので、ちょっとアップしてみます。

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ジェットエンジンは外の空気を取り入れ、それをかなりの圧力にまで圧縮。取り込んだ外気を30倍くらいにまで圧縮する力があります。もちろんそのほとんどは燃焼室へと送られ、燃焼された空気が膨張して高温高圧ガスを作られ、それが推力となって飛行機を前へと力強く押す力となります。

そしてその空気が燃焼室へと送られる前に、圧縮された空気の一部を利用して、飛行機の機内の気圧を少しでも地上に近い気圧に保つ装置。これを与圧装置と呼びます。機内に送られる温度も調整できる仕組みになっているので、エアコン用としても活躍。夏の暑い時期は気温を低めに設定し、冬の間はもちろん高めに保って暖かい状態を保つように。この空気、大抵の飛行機では、かなりの高熱を発する機器類や計器類の熱放射用の空気として、また貨物室の与圧装置としても使えるスグレモノ。

ただ40,000フィート(海抜12,000メートル)まで上昇すると、外気の気圧はかなり下がります。地上と比べると約5分の1。そんな中で機内の気圧を地上と一緒に保つと機内の外と中とで圧力差が大きくなり過ぎて、機体を構成する金属がその圧力差に耐えられなくなることに。ですから機内の気圧を飛行機の高度の上昇と合わせて下げることによって、機体への負担を少なくします。飛行機が上昇を続けると耳が少し変になったようになるのはこれが理由。機内の気圧を敢えて意図して飛行機が下げているのです。リージョナルジェット機は、2時間の巡航のフライトでは大抵35,000フィートまで上昇。そのときの機内の気圧は凡そ地上2,000メートルくらい。富士山のほぼ5合目くらいの気圧になっています。

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飛行機はこの高度を短時間で行ったり来たり。人間の耳にも相当な負担がかかります。中耳と呼ばれる鼓膜の内側には少量の空気が入っていて、耳管によって鼻の奥の上咽頭部と繋がっているのだそうです。耳管は普段は閉じていて、あくびや唾を飲み込んだときに一時的に開き、外部の気圧と中耳の気圧が同じに保たれるのだとか。かつて日本の航空会社でも下降時にキャンディーが配られた時期がありましたが、恐らく耳抜きをしやすくするためのサービスだったのではないでしょうか。

風邪を引いて鼻が詰まるとこの耳抜きがしにくくなり、耳の痛みや圧迫感を感じることになります。特に下降時においてかなりの圧力。最悪の場合は鼓膜が破裂してしまうことも。裕坊が慎重になるのはここ。既に地上職であれば十分復帰できる状態ではあっても、フライトとなると慎重にならないといけません。病欠の時間が少なくなっていても、フライトができるかどうかは明日の状態次第。

明日起きたときの体の状態によって、問題なさそうであれば4日間のフライトへと出発です。取りあえず体は回復基調です。いろいろ心配のお声をかけてくださった皆さん、本当にお気遣いありがとうございます。今晩もしっかりと体を休ませたいと思います。それでは、おやすみなさい。

 

裕坊