yuichibow’s blog

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊 3/11

皆さんこんにちは、航空会社フラリーマンです。

眠い目をこすりながら何とか4時前には起き上がり、半目でキーボードを叩く裕坊。今日からアメリカでは一部の地域を除いて夏時間が始まります。昨日まで6時だったところが7時になるという計算。我が家では昨夜あちこちの時計の針を1時間早めたり、デジタルの時計の設定をし直したり。今朝の4時起きは実質的には体の時計でいうと、ほぼ3時…………こんなスケジュールが来るのも、まだまだ社内における優先順位が低い証拠。

幸いにも今朝の1本目はピッツバーグまでのデッドヘッド。自ら頭を使う必要はありません。一般の乗客の皆さんと同じタイミングで搭乗し、一旦客席に座ったらあとはゲームをしてようと寝ていようとイビキをかこうと本人の自由。着いた先からのフライトに備えることさえできれば、クルーが何をやったって会社は知らぬ存ぜぬ。操縦席に座っているときはちゃんと起きていられるのに、客席に座るとちゃんと他の人と一緒に寝られるのですから、不思議なものです。

何をしていても自由とはいえ、デッドヘッドもフライトスケジュールの一部。客席に乗って一般の乗客の方と座席を共有するとはいえ、制服は着た状態で搭乗。会社でも定められた規則です。一旦到着したらすぐそこからの担当便に備えるのですから、当然といえば当然。ほとんどのアメリカ人はムダにガタイが大きくて、脂肪という名の自己防御毛布にしっかりと覆われていますから、長袖のセーターとかは必要ありません。半袖シャツに肩章がついた状態で座っています。一目見てパイロットだと分かります。

裕坊のデッドヘッド。同じような厚みのある毛布には覆われていませんから、ジャケットを羽織って座席に収まります。カバンの中にはタブレットが3枚。それぞれに用途があります。一枚は空港の情報やマニュアルなどが満載のiPad。仕事用です。もう一枚のiPadはプライベート用。ブログ用のキーボード付き。日記も書けます。テキストにも便利。野球ゲームでも遊べます。そしてもう一つの小さめのサイズが読書用。大抵読書用の小さいのを取り出して、本を読み始めます。離陸時までには睡眠波を出して、裕坊を眠りへと誘ってくれます。ですからムダなエネルギーを消費しなくて済みます。とても便利!

アメリカ人パイロットのデッドヘッドでの過ごし方は様々。ゲームに興じる者もいます。でも朝早い便だと大半は窓にもたれかかって目を瞑ります。しばらくすると鼻から大きな音を鳴らして、呼吸を整え始めます。到着地からの担当便に備えて、無念無想の境地へと入ります。これこそ究極のアメリカ式精神統一。自ら担当するフライトに向けての準備を怠りません。

周りに座る一般の乗客の方からは笑顔がこぼれます。どんなに揺れの激しいフライトであろうと、彼らの精神統一が揺らぐことはありません。揺れが激しくなればなるほど、鼻からの呼吸音も大きくなります。微動だにしないのがアメリカ流。ちょっとやそっとのことで簡単に乱される神経の持ち主ではないのです。そのたくましい精神に周りは安心感を覚えます。少々の揺れでは飛行機の安全性が脅かされることはない、と威風堂々とした態度を示します。おかげで周りに座る一般の乗客たちは安心感を覚えるのです。

デッドヘッドで到着したピッツバーグで2時間ほど待機した上で、今日はまずニューヨークのケネディ空港まで。そのあと更に3時間待機した上で、インディアナポリスへと向かいます。裕坊もデッドヘッドのフライトでは、アメリカ流精神統一に勤しみたいと思います。

 

裕坊