yuichibow’s blog

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊 3/7

皆さんこんにちは、航空会社フラリーマンです。

今朝はインディ500というカーレースで知られるインディアナポリスのホテルで朝食を取る裕坊。チョコクロワッサンの代わりにベーコンやスクランブルエッグなどを皿に盛り、オレンジジュースなどと一緒にいただいて、ちょっとひと息。5本の担当便を受け持つ、ザ・リージョナルの1日に向けて心の準備を整える時間です。

リージョナル航空の担当する便は、人口10万人にも満たない都市へも就航。需要さえあれば航空会社はどこへでも飛んで行きます。そしてリージョナル航空の主な役割といえば、小さな町からの乗客を主要空港における接続のために送り届けること。大半のお客さんは主要空港で大型機の担当する大都市への便にお乗り換え。

ビジネスマンはリージョナルジェットにも慣れっこ。同じ路線をリージョナル航空と大手航空会社本体が共有することもありますが、機種は選びません。あくまでビジネスの都合優先。都合がいいのであればリージョナルジェットといえども平気で乗ってしまうのがビジネスマン。

遅延にも慣れきっています。遅延が発表になっても慌てることなくスマホを取り出し、得意先に電話を一本入れて事情を説明、素早く次の対策を提案。ビジネスマンにとっては目的を達成することが最優先ですから、遅延に対する対処法も慣れたものです。

旅行客は必ずしもそうはいきません。経費で落とせるビジネスマンと違って、一般旅行者の場合自分のお財布から全てを持ち出していますから遅延は命取り。ホテルやイベント、クルーズなどの予約が入っていたらそちらにも大きく影響。必死になります。

クルーだって必死。6日も飛べばそれだけ家族から離れています。出来れば遅延に遭遇することなく終わりたい。では実際にパイロットの力でどこまで遅延に対処ができるかというと…………

残念ながら遅延に対してはパイロットはほとんど無力。特にニューヨークやシカゴなどの主要空港へ向かうフライトになると、お天気が下り坂だと航空管制の扱える便数が減るため、離陸まで相当な時間待たされます。いわゆる地上待機。定刻出発時刻が午前10時のところに離陸指定時刻が午後2時なんてことはザラ。パイロットにできることと言えば、ゲートでの事情説明くらい。そして座席数の少ないリージョナルジェット機は、いつも欠航の最優先ターゲット。減らされた離発着の枠を少しでも座席数が多い航空機に残しておくための措置として、リージョナルジェットが優先的に欠航になることに……

一旦離陸しても自由は効きません。速度を規制されます。300ノットを出せるところを他の到着便との距離を保つため、250ノットにまで制限されたり。上空待機もあります。ときどき耳にするホールディング。遅延が出るときは燃料をかなり余分に積んでいきますから、30分くらいなら大概余裕で上空待機にも対処できます。でも1時間以上ともなると………さすがに代替空港へと向かうことも……

大幅な遅延が出ると航空会社の職員たちは乗り継ぎに間に合いそうか、間に合わなければ他の空港経由で乗り継ぎは出来そうかなど、各乗客を少しでも早く最終目的地へ送り届けられるよう、知恵を絞ります。各乗客の位置情報を自動追跡し、本来の乗り継ぎ便に間に合わなければ、他の便へ自動振替する新システムも開発されました。乗り継ぎ便に間に合わなかった時には、スマホの航空会社アプリを開けてみるといいです。搭乗券を空港に設置された機械にスキャンしてみてもいいです。大抵の場合、その時点で自動振替が済んでいて、次の搭乗便の情報が取り出せます。遅延対策は進みました。

デトロイト周辺には少し雪が降るものの、お天気は徐々に回復傾向。今のところ遅延を示すものはなし。ただ6日間に渡るトリップの6日目ともなると、何かが起こるのが航空業界の法則。最終便を運航できず、往復便の往路だけを飛んで、着いた先でそのまま宿泊滞在したことも数知れず……

愛妻ちゃんと息子くんの顔が見れるのを祈りながら、インディアナポリスを出発。今日はデトロイトを拠点に、そのあとピッツバーグ、シカゴオヘア空港へそれぞれ往復便を担当です。今日は6日間のフライトの締め括り。5便全便を欠航することなく全うできること祈るのみ。もし帰れなかったら………………それはまたいずれお話します。

 

 

裕坊

 

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