yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊 2/21

皆さんこんにちは、航空会社フラリーマンです。

今朝もここ最近お馴染みの早起きです。いつものようにクロワッサンをかじる裕坊。もう片方の手にはコーヒーカップ。

実は今朝の裕坊には大きなご褒美があります。それはちょっとゆっくり起きることができたことです。ホテルを出発する送迎シャトルの予約の時間は朝6時。何と4時までゆっくり寝ていることができたのです。3時に起きなくてもよかったのです。気持ちにもほんの少し余裕が出て、コーヒーの何と美味しいこと。1分でも多く寝ていたい裕坊には、これ以上ない何よりもの朝のご褒美です。間違いなくいい1日になることでしょう。

今日は3本のフライトをこなして、最後に目指すのは裕坊が所属するデトロイト。そのデトロイト自動車産業の斜陽と共に人口が激減。街の中心部は一時期はとても入れないほどに荒廃したそうです。今は再開発の真っ只中。ダウンタウンの中心にはデトロイトに本拠地を置くプロスポーツチームのスタジアムが並び、川沿いにはGMが本社を置く大きなビルが建設され、ガラスが割られ落書きが放置されていたビルは取り壊されて新しいものへの置き換えが進みます。

日本の領事館もダウンタウンの中。GMの本拠でもあるルネッサンスセンターに入り、訪問者用のバッジをつけて高いビルのエレベーターを昇ります。デトロイト近郊に住む日本人の多くが10年に一度訪れる領事館。パスポートは毎回ここで更新。かわいいカタコトの日本語を話すセキュリティー担当のアメリカ人男性が迎え入れてくれます。必要事項を書き込んだ更新申し込み用紙を提出すると、およそ一週間ほどで新しいパスポートの出来上がり。裕坊も2回ほどお世話になりました。

デトロイト近郊は自動車産業のおかげで日本人の数も多く、郊外にある日本人補習校は全米でも有数の規模を誇ります。毎週土曜日の開校。入学式に始まり、卒業式も執り行われる学校です。およそ900名の児童が在籍しているそうです。

さらには日本語と英語とを同時に学べる全日制の学校もあります。地元が管轄する学校です。こちらではその2ヶ国語教育を、イマージョン教育と呼んでいます。裕坊の息子くんもここで6年間お世話になりました。多くの友人に恵まれたことが、息子くんにとっての1番の財産です。先日息子くんが伴奏を勤めたリサイタルのお友だちも、その学校の出身。開校当時は児童の数も少なく、また地元での認識度もかなり低くて生徒数を集めるのに苦労しました。今となってはいい思い出です。

そこで出会った日本人家族の皆さんには、今もすごく仲良くしていただいています。パーティーなどに呼んでいただけることもあります。裕坊家族にとっても、とてもかけがえのない財産。ただ休日が合わず、なかなかお会いできないのがすごく残念。

フライトクルーのスケジュールは毎月20日前後に決まるのですが、入社日によって優先順位が決まり、それに応じて希望が聞かれる仕組みなので、未だに優先順位が低い裕坊には希望するスケジュールは取れません。それでも3回の土曜日のお休みは何とか確保。

以前に比べればかなりの進歩。愛妻ちゃんの笑顔をいつもより多く見ることができます。日曜日は毎週、日本昔話の絵姿女房に出てくる兵六くんになり、家族や友人の写真をタブレットにたくさん入れて機上の人になります。

明日からの2日間のお休みにも少しモチベーションは少し上がります。ノースカロライナ州のローリーを出発しまずはニューヨークを経由。ビール工場で知られるウィスコンシン州ミルウォーキーを経由して、デトロイトには3時ごろに戻ります。愛妻ちゃんと息子くんに会えるのが、今からとても楽しみです。

 

つづく

裕坊