yuichibow’s blog

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 2/3

皆さんこんにちは、航空会社フラリーマンです。

ここはミネアポリスです。外はシンシンと雪が降っています。この分だと今晩中に恐らく10センチほど積もるでしょう。ただでさえ気温が氷点下10度と冷えてますから外に出るつもりもありませんでしたが、更に外へ出てはいけない理由が追加されます。ここはひたすらホテルの部屋で大人しくしておきましょう。今ならオンラインで中華やピザを注文することもできます。雪で道が滑る中、中国人が嫌な顔一つせず宅配してくれます。皆さん働き者ですね。

昨夜は実はホテルの部屋へ到着するまでが少し冒険でした。裕坊くん、すっかり今週末のことを忘れておりました。ここミネアポリスでは今週末、スーパーボウルがあるのですね。スーパーボウルといいますと、日本でいう有馬記念のようなものです。一大イベントです。皆の目がフットボールに釘付けです。しかも開催地がここミネアポリス

空港は人だらけです。道にも車が溢れています。ホテルはどこも満室です。人と荷物で溢れかえってます。まして金曜日の夜。当然部屋に空きなどありません。空港から何事もなかったかのように送迎用シャトルに乗り込んだはいいものの、ロビーに着いて寒い体を震わせながら名前を告げると、予約がない・・・「もう空室はないの?」・・・「どこも今週末は満室だよ」・・・

顔から火が出ました。汗がほとばしります。3キロほど体重が落ちます。会社に電話を慌てて入れてみると………………お隣のホテルに予約が入っており、凍りかけた心臓の氷がやっとのことで氷解しました。ホテルの予約は出発前に確認しましょう。

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1日目の訓練は滞りなく終了です。トレーニングセンターに入るとシミュレーターがいくつも並んでます。各機種ごとにシミュレーターが用意されます。大抵一回当たりの訓練時間は休憩1回を挟んで4時間ほどで、膀胱が赤ちゃん並みに小さい裕坊くんは、休憩に入った途端トイレへ一目散。

旅客航空機は2人乗務しないと飛べませんから、訓練のときも2人が操縦席に座ります。では必ずしもその2人が訓練を受けるとは限りません。今日の副操縦士役をしてくれるのは、ミネアポリスに住む我が社のパイロット、ルーク君。あくまで補佐役。お休みの日に、しかも雪がシンシンと降る中わざわざ出てきてくれる働き者です。ただ6時間分のおこづかいが出るのです。お寿司を頼んで、ルーク君宛にきっと請求書が送られることでしょう。

離陸時のエンジン故障、エンジン火災、濃霧時の滑走路へのアプローチ、機内火災から緊急着陸に続いての緊急避難、山岳地の山岳越えなど、実機では再現できない場面を想定して次々と対処していきます。大体はソツなくこなします。ときどき頭が真っ白になります。サリンバーガー機長を見習って、落ち着いて対処しましょう。

明日は訓練2日目。同じトレーニングセンターで同じシミュレーターです。明日起きる頃には10センチほど雪が積もっているでしょう。3時ごろに訓練が終わり、8時発のデトロイト行きまで5時間ほど空港で時間を潰します。デトロイトに着く頃、雪が恐らく少々積もります。お天気までが話題づくりを提供してくれます。雪道を2輪駆動のセダンで、お尻を振りながら家路に着くことになります。愛妻の顔を見るのが楽しみでなりません。

 

つづく

裕坊