yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 11/19

アメリカの地方航空路線を飛ぶ、小型旅客機担当の裕坊といいます。こんにちは。

日曜日からの5日間のフライトを終えて、今日木曜日の午後帰宅しました。

 

昨日4日目の最終目的地になっていたのは、『5つの季節がある町』という別名が付けられている、アイオワ州第2の都市シーダーラピッズ。

入社当時、50人乗りのCRJ−200型機に乗務していた当時は、デトロイトからもメンフィスからもよく訪れておりました。

 

「5つの季節がある町」のオブジェが街に飾られ、

 

市庁舎と郡庁舎が、シーダー川の中洲になっているメイズ島に浮かぶ町。

東欧からの移民の方も多いのか、チェコスロバキアからの移民の2世、3世たちが寄り添って作り上げたという国立チェコスロバキア博物館なんかもあります。

 

街にはチェコ村などもあり、チェコの伝統の品や食材なんかも買えるんだそうです。

 

ただ町の中心を流れるシーダー川(ミシシッピ川の支流の1つにもなります)は規模が大きく、たびたび洪水を起こしていて、

 

中でも2008年に起こったアイオワ州大洪水では、ミシシッピ川の支流にあたるアイオワ川から、さらにその支流にあたるシーダー川で大氾濫……

 

ダウンタウンまでもが大洪水になったこともありました。その後も、2008年ほどの規模にこそなっていないものの、たびたび氾濫を繰り返しています。

 

こちらは橋の下にかかる川のようにも見えますが、実際には陸橋の下をくぐり抜けるダウンタウンの通りの1つ。

この時は当然のことながら、シーダーラピッズ空港も全面的に閉鎖になり、数ヶ月間にわたって旅客便も全便欠航になる事態に……この洪水の現地視察のために、当時のアメリカ大統領だったジョージ・ブッシュ氏も現地を訪れたそうです。

 

一部では、復旧に3年以上の歳月がかかったところもあったのだとか……

 

ですので、シーダーラピッズでは、10年を超える治水計画で、現在も水害対策が進められています。

 

50人乗り仕様の旅客機を担当していた当時は、かなりの頻度でやってきていたシーダーラピッズ。

前回来たのがいつだったのか思い出せないほど、久しぶりのシーダーラピッズ行き担当となりました。

 

確かターミナル内は、こんな感じだった記憶が……

 

ところがいざターミナルへと、足を入れてみると………

 

 

いつの間に………

 

全てが新しくなっとる……

 

天井が高くなって、吹き抜けが高い位置に聳えておりました…

以前の面影がすっかり消える、全く新しい空港へと生まれ変わっておりました…

 

2015年に始まっていた空港の大改装工事が、

 

空港のゲート係員によると、昨年の冬に完成。晴れて新しいターミナルのお目見えとなっていたんだそうです。

かつてはこじんまりとした地方の空港の装いだったのが、すっかり別の空港へと大変貌を遂げておりました。

 

昨日水曜日は夕方には終えて、ホテルへと向かい、

 

こちらも新しく開業したばかりのホテル。

空港からもすぐ近く、短時間の宿泊滞在にはもってこいの立地条件でした。

 

ただ地域航空会社には、明るい時間帯に到着した時の法則みたいなものが存在し、お昼から夕方にかけて到着した日の翌朝は、大抵6時台、早い時は5時台の出発便の担当になると相場が決まっています……

 

早朝出勤の時に欠かせない、マストアイテム……

 

ちなみにシリアルなども、お好きなだけどうぞ状態でした…

 

早朝は夕方とはまたちょっと違った雰囲気。

 

朝一便の目的地は、ミネアポリス

まだ夜が明けきらないうちの到着となり、

 

5日間のフライトの締めとなったのは、ミネアポリスからのピッツバーグ行きでした。

 

ピッツバーグからは客席に搭乗して、

5日間のフライト終了。

 

本拠地となるデトロイトへ到着…

風に煽られ続けた5日間を、15便をこなし終えて締めくくりました。

 

5日間で運んだ乗客の方の数の合計は330名。地方路線が多かった影響もあって、1便あたりが22名(現在の定員数上限は1便あたり56名)とやや少なめ。ひょっとすると、ここに来て急激に増えているコロナウィルスの影響を受けていたのかも知れません。

 

 

その一方で、新たな話題も航空業界に入っています。

 

 

2件立て続けに起きていた墜落事故の影響で、全機とも運航停止状態にあったボーイング737−MAX型機。連邦航空局による飛行許可が、やっと降りる見込みとなってきました。

ちなみに、従来のボーイング737型機とMAX型の外見の違いは、エンジン、もしくは胴体後部で簡単に見分けがつきます。

 

こちらが従来型。エンジンカバーの後ろの部分が、きれいな円の筒状になっているのですが、

 

MAX型ですと、カバーがギザギザ状になっているのが大きな違いの1つ。

 

胴体後部に目をやると、従来型機ですと第3エンジン(地上において、主エンジンが立ち上がっていない状態で電源となるべく発電機を回し、機内の空調用の空調装置としても使われます)の排気口が、

胴体の後ろで口だけが開いたようになっているのに対し、

 

MAX型ですと三角錐の頭の部分を切り取ったように、後ろにスラッと伸びているのが従来型と大きく違います。

 

ただこのMAX型の従来型のボーイング737型機との1番の大きな違いといえば、飛行特性。MCAS(Maneuvering Charasteristics Augmentation System)と呼ばれる、離陸時、着陸時における機首の動作補正装置をつけていたのですが、ボーイング社はこの新しい装置の装着については航空会社に告知していませんでした。

ライオン・エア(インドネシア)610便や、

 

エチオピア航空302便では、

その動作補正装置が予期せぬ方向へと機首を動かす結果となり、

 

両機とも離陸直後から、異常なまでの機首下げが発生して墜落……

 

その後およそ1年半に渡って全世界のボーイング737−MAX型機は、運航停止へと追い込まれることになりました。

完全な飛行許可が下りるまでには、まだいくつかのプロセスが必要になるらしく、7つの過程からなる精査を経過することになるそうです。飛行機整備マニュアルにも、機首動作補正装置の記述が義務付けられることになりました。これから試験飛行なども行われるでしょうし、誤作動が発生していた補正装置にどんな改良が加えられたのか、裕坊もちょっと注目しています。

 

 

 

 

1日のお休みを経て、日曜日に日帰りのフライトを入れました。明日は体をちょっと休めます。

 

 

 

 

 

 

 

11月19日(木)担当便

デルタ4850便(EDV 4850)シーダーラピッズ(CID)− ミネアポリス(MSP)

デルタ4678便(EDV 4678)ミネアポリス(MSP)− ピッツバーグ(PIT)

 

 

 

裕坊パイロット日記 11/17

アメリカ国内線を中心に、小型ジェット旅客機に乗る、裕坊といいます。こんにちは。

先日日曜日に5日間のフライトへ出勤して、火曜日は中日の3日目になりました。

 

初日日曜日の中西部のお天気は大荒れ……大きな寒気団が中西部をすっぽりと覆い、先週にはミネアポリス地方に雪をもたらして、ウィスコンシン州からニューヨーク州西部には、最大風速25メートルを越す暴風が吹き荒れる、嵐のような1日…

デトロイトでは最大風速26メートル超え……航空気象ではノットという単位が使われるのですが、当日は最大52ノットとなっていました(偶然なのか、ノットで示されている数字を2で割ると、ちょうど毎秒あたりの風速(メートル/秒)になります)。

 

初日の最終目的地になった、ニューヨーク州バッファローはさらにそれを上回り、最大風速61ノット。

 

最大で30メートルを超える『超暴風』……

当日の便は着地寸前になって突風が吹き付けてきて機体が浮きかけ、着陸やり直しを考えたほど……

 

元々バッファローといえば、ナイアガラの滝の最寄りの都市。

五大湖のうちの2つ、エリー湖オンタリオ湖が交わるところなので、

 

突如として、何の前触れもなしに一晩のうちに2メートルの積雪があったり、

 

数年前にも、12月の初めに2メートルの積雪が一晩のうちに降って……

 

数日後には小春日和のように暖かくなり、雪がきれいに溶けてなくなっていた、なんてこともありました…

このバッファローという所は、本当に予期せぬお天気に見舞われることが多いです…

 

当日は60ノットを超える風に煽られながらも、なんとか着陸に漕ぎ着け、

人がいないバッファロー空港のターミナルを、到着口まで、

 

実はホテルの送迎シャトル乗り場でも、風はかなり荒れまくっておりました……

 

翌朝はホテルでの朝食。

しばらくは休業が続いていたホテルでのレストラン…

 

数ヶ月前に再開になって、朝食もいただけるようになりました。

休業前は、朝食はバイキングスタイルでの提供だったのですが、現在はメニューの中から選ぶ方式。

 

利用するお客さんの数も、かなり限られているので、レストランにとっても渡りに舟。

 

チーズを乗せたオムレツをいただきました。

 

2日目となった月曜日は、デトロイト行きのお昼の便から4便を担当。

 

ちなみにニューヨーク州に他州から空路入る場合は、過去の経歴などを記入するように義務付けられていて、皆さん出口へと向かう前にしばらく足止めされます。

一時はフロリダ州テキサス州などから入る場合は、2週間の隔離を義務付けていたのですが、どこまで追跡ができていたのやら…

 

バッファロー空港でのデルタ航空管轄のフライトの出発ゲートは、北東の端の20番台のゲート。

この近くには昼食などを買えるお店が全くなくて困っていたのですが、サンドイッチやサラダなどを買えるお店がようやく開店して、やれやれ…

 

 

デトロイトには、1時半ごろに到着。

 

 

デトロイトの空港内は、クリスマスの装飾が始まっています。

 

Aコンコースの中央には、大きなクリスマスツリーが飾られ、 空港案内の掲示板の横にも、人の背の高さほどのクリスマスツリー。

 

リースなども…

ただクリスマスムードが盛り上がることがない、地味な2020年……

 

折り返しで、メイン州ポートランドまでやって来ました。

 

 

小規模都市が並ぶ州では、コロナウィルスの影響での乗客数減に対応し、就航空港を集約することによって収益減を補っているのですが、メイン州もそのひとつ。

 

 

かつてはデルタ航空では、バンゴーという航空州兵の拠点がある空港への就航がありました。

 

かつては米空軍の正式な拠点先だったバンゴー空港。

現在でもその名残で、空中給油機のKC−135型機が多数駐機されています。そのため滑走路は実はポートランド空港よりも、バンゴー空港の方が断然長く、ポートランド空港の滑走路が全長2,100メートルなのに対し、バンゴー空港は3,400メートル。

 

アメリカとヨーロッパや中東の都市などを結ぶ大型旅客機が、何らかの理由で再給油が必要になった際に、よく使われているバンゴー空港。

だだっ広い駐機場スペースに、時々再給油で立ち寄っている国際線機材を見ることがありました。こちらはアムステルダムからニューヨーク・ケネディ空港に向かっていたデルタ航空エアバス機。

 

またアフガニスタンイラク戦争が渦中の真っ只中にあった際は、このバンゴー空港が兵士の出発地の拠点にもよくなっていて、

大型機に搭乗する兵士たちをよく見かけてもいました。バンゴー空港は、現在ではデルタ航空管轄のフライトの就航はなくなり、民間航空会社による運航は、ユナイテッド航空アメリカン航空のみになっています。

 

立ち寄ったポートランド空港では、スターバックスに立ち寄って、コーヒーを調達。

 

いよいよクリスマスバージョンのコーヒー豆もお目見え…

 

メニューの掲示板も、クリスマス仕様。

再びそこからデトロイトへと戻って、

 

2日目はウィスコンシン州の州都、マディソンまで。

 

ホテルの送迎シャトルの都合がつかず、タクシーに乗ってホテルまで。

 

 

 

3日目は午後出勤です。

 

 

 

 

 

 

 

11月16日(月)担当便

デルタ5089便(EDV 5089)バッファロー(BUF)− デトロイト(DTW)

デルタ4723便(EDV 4723)デトロイト(DTW)− ポートランド(PWM)

デルタ4765便(EDV 4765)ポートランド(PWM)− デトロイト(DTW)

デルタ4704便(EDV 4704)デトロイト(DTW)− マディソン(MSN)

 

裕坊パイロット日記 11/15

アメリカの国内地方路線を中心に飛んでいる、小型旅客機の操縦士、裕坊といいます。こんにちは。

今日日曜日のお昼過ぎに出発して、5日間のフライトへと出勤しました。

 

中西部地方は、お昼過ぎから大荒れのお天気。数日前にミネアポリスに雪を降らせた前線は、デトロイトには雪こそもたらさなかったものの、午前中に雷雨をもたらし……

そのあとには、西からの暴風が吹き荒れまくる大嵐……

 

季節外れのハリケーンでもやってきたかのような荒れ狂いようでした……

裕坊が通勤用の使っている自家用車は、やや大きめのセダン……

 

少々の強風であれば、左右に揺すられることなど滅多にないのですが、流石に今日は左右へとユラリユラリ……

ただごとではないなと思って、気象情報を見ると、何と最大風速30メートル……

 

 

今年の秋以降の『大寒波』の到来を予感させるように、大嵐になっていたミシガン州……

 

 

コロナウィルスの感染拡大状況を見ていても、ミシガン州でのそれは、到底理想的と呼べるものではありませんでした…

夏の時期は、新規に陽性と診断される報告数も州全体で平均600ほどにまで抑えられ、かなり下火傾向にあったのですが、11月に入ってまたも急拡大…とうとう先日11月13日(金)には、7,000名を超える新規の陽性者報告が入る事態にまでなりました(7,072名が新規に陽性と診断され、65名が1日で死亡)。

 

緊急事態宣言にまでは至らなかったものの、ミシガン州では新たな経済封鎖を発表することに…

別の表現方法を使うことによって、一部で施設の閉鎖に踏み切ることになりました。

 

主な内容としては、高校、大学の閉鎖、映画館や劇場などの閉鎖、レストランやバーなどでの店内飲食の停止措置、さらには在宅勤務が可能な職種の場合は、自宅での勤務を要請する、などなど……

レッチェン・ウィトマー、ミシガン州知事は、「3週間における『停止措置』(3 week pause)」という、ちょっと柔らかめの表現を使って、一部の施設を閉鎖することになりました。これはウィトマー知事自身の経験を踏まえてのものでしょう。

 

今年の春、都市封鎖に反対して起こった超保守層による経済再開を求めてのデモは、ミシガン州に端を発しました。

 

一部では武装集団までが蜂起して、

 

州議会議事堂を占拠する事件まで……

過激派を刺激しないように、それでいてこれ以上の感染拡大を防ぐための手を打たなければならず、苦渋の決断になったことは想像に難くないです。

 

ミシガン州における病院や医療施設においては、感染の急拡大に伴って病床の占有率も急激に上がってきていて、一部では既に通常の病棟が満床になってしまったところもあります。さすがに何も手を打たないで、事態を見過ごすということもできなかったでしょう。

振り返ってみると、今年の3月にはニューヨークなどで感染爆発が起き、病院内のほとんど全てのスペースが集中治療室になっただけでなく、 病院内での遺体の安置が追いつかなくなって、

 

苦肉の策として冷凍トラックが病院に横付けされ、

 

一時的に遺体が安置されていたということもありました。

 

病院でのスペースがいよいよ足りなくなって、本来なら憩いの場であるはずのセントラルパークに、一時的に野外病院が設営されたこともありました。

この苦い体験を間近に見てきているので、早めに手を打っておきたかったというウィトマー知事の思いが、よく伝わってきます。施行は11月18日(水)から12月8日(火)までの3週間。

 

ただ現在の急拡大ぶり、さらに低温乾燥という条件の元、ウィルスはこれからさらに活発になってくるところからすると、延長措置は避けられないかも知れません……経済活動再開が本格化していたアメリカですが、またここにきて急ブレーキ、ということになってしまいそうな怪しい雲行きになっています。

 

 

今日日曜日は、デトロイトを出発して、まずサウスカロライナ州チャールストンまで。

こちらはハリケーン一過とあって、気温がすごく上がっていて、夕方になっても26度…

 

折り返しのデトロイト行きでは、綺麗な夕焼けを横に見ながらのフライトになったものの、

デトロイト地方は、かなり風が荒れていて、着陸時は速度計が上下に振れまくり……

 

それでも夕方以降はほんのちょっとだけ風も弱まっていました。

 

その遥か上を行ったのが、今日の最終目的地となった、ニューヨーク州の最西端の都市バッファローでの着陸時…

突風の最大風速が秒速30メートル(60ノット)を超える中で着陸したのなんて、記憶にない……

 

着地するまで、激しく速度計が上下に振れておりました……

 

でも取りあえず着いた…

 

写真ではほとんど分からないのですが、ホテルの送迎シャトル乗り場へと行く道のりでも、嵐のような風が吹き荒れておりました…

 

やっとのことで到着。

 

 

 

 

 

明日は4便を担当の予定です。

 

 

 

 

 

 

 

11月15日(日)担当便

デルタ5212便(EDV 5212)デトロイト(DTW)− チャールストン(CHS)

デルタ5212便(EDV 5212)チャールストン(CHS)− デトロイト(DTW)

デルタ5049便(EDV 5049)デトロイト(DTW)− バッファロー(BUF)

 

裕坊パイロット日記 11/14

アメリカの地方路線を、小型旅客機で飛んでいる、裕坊といいます。こんにちは。

3日間のお休みを経て、明日日曜日から次の出勤です。今度は5日間連続です。

 

我が社の場合、出勤する時は4日間のフライトが主流ですが、時々5日間のスケジュールが組まれます。長く家を留守にすることになるので、初日は「やや遅めの」出勤で、最終日は「やや早め」に終わるのが特徴……州外から『飛行機』で通勤する乗務員が、当日家を出発しても何とか間に合うようにという、契約の中での会社側の配慮。

平均的には、午後2時台に出勤というパターンが多いです。中には午後7時台のフライトで始まる、なんてことも……

 

最終日の勤務終了は、だいたい3時台。これなら州外から来ていても、大抵はその日のうちに自宅まで帰れます。

5日連続でフライトをこなすと、最低限25時間分のお給料を保証してもらえる契約になっているので(4日間だと、平均でおよそ18時間)、州外から通勤している者は、5日間のフライトに入札をする者も多いです。

 

ただ州外から飛行機を使って通勤をするとなると、朝早く起きないといけないので、どうしても初日は長い1日になりがち……

さらには、シカゴやミネアポリスなどからデトロイトへ通勤するとなると…

 

通勤している時に、1時間時計を早く進めないといけないので、 起きる時間は、さらに早くなります…

ですので「通勤中の機内での時間」は、州外通勤の乗務員にとってはけっこう貴重だったりします……明日からパートナーとなる乗務員が、どこから通勤してくるかは、今は知る由もないのですが……もし「飛行機通勤」をするのであれば、

 

こんな通勤になったり、

 

こんな搭乗になっていないことを、ひたすら祈るのみ……

 

 

この3日間のお休みでは、パイロット全員に義務付けられているオンライン教育の教材もこなし切りました。

 

アメリカの定期航空会社で乗務するパイロットたちには、業務内容のおさらいをするため、年に一度の座学研修が連邦航空局によって義務付けられているのですが、

研修方法はコロナ禍よりもずっと以前から、大幅に変わってはきていました。年に一度集中的におさらいをするよりも、頻繁におさらいをしていた方が、学習効果が断然高いと気付いた連邦航空局。以前はみっちり1週間研修施設で受講していたのが、2日に短縮され、

 

その代わりに、定期的なオンラインによる研修課題が出されるようになっています。

内容もさまざま……

 

エンジンについて勉強することもあれば、

 

航法が出てくることもありますし…

 

お天気のことや、

 

一般の安全論についてなども…

連邦航空局が作成したスライドを見ることもあります。

 

最近は、操縦室内でも使用しているタブレットも、会社で支給されたものを使用していますので、

そのタブレットにアプリをインストールして、あとはインターネットに繋がる環境であれば、どこででも好きな時に講習を受けることが可能。

 

最近はコロナ禍の中、我が社でも無給休暇を募集していて、およそ5%ほどの乗務員が休暇を取得しています。長期の休暇を利用して、

大きな山のてっぺんで研修を受けようが、

 

見渡す限りの海の上で勉強をしようが、

課題さえこなせれば、問題は全くありません。

 

ただしインターネットの環境だけは、ちゃんと整えましょう……

 

我がエンデバー航空では、3ヶ月に一度の出題で、15ほどの課題が出されます。

期限は2ヶ月間……10月に出されていた課題も全部で15。昨日こなし切って、ホッ。次の課題の出題は、年明けの1月。その1月にはオンラインによる座学の研修が入るので、しばらく勉強の日は続きそうです。

 

 

タブレットで休み休みニュースなどを検索していると、大勢が判明しつつあるアメリカの大統領選挙の話題が嫌でも目に入ります。バイデン氏が306名の選挙人を獲得して(トランプ氏が232名)、ほぼバイデン氏の勝利は確実な情勢。ところが、まだまだ選挙戦は『一部で』続いているようです。

今日土曜日、トランプの熱狂的支持者が、首都ワシントンに集結してのデモを行ったのだとか……

 

プラウド・ボーイズ』や『オース・キーパーズ(Oath Keepers)』などの極右の集団も集まり、かなりの規模になっていたそうです…

メディアニュースなどを見ていても、共和党支持者の中では、10人に1人しかト バイデン氏の勝利を認めていない、という報道すらありました。

 

アメリカという国は本当に広いので、メディアで報道されるニュースであっても、実際にはなかなか身近に感じられないことも多いのですが、

今回の大統領選に限っていうなら、その雰囲気は裕坊の肌身にも直に伝わってきています。

 

多いのは、やっぱりフェイスブックなどのソーシャルネットワーク

我が社の同僚、元同僚の中にも、中西部出身には超がつく保守派が多く、中にはフェイスブックのプロフィール写真に、トランプ・ペンス(大統領と副大統領)のロゴを掲げた写真を堂々と掲載しているのもいます。

 

ここにきてトランプ大統領自身がすっかりトーンダウンした中にあっても、トランプ氏の敗北を支持者たちは金輪際認めておらず、

 

開票作業のやり直しや、 選挙そのもののやり直しを求める声まで……

 

その共和党支持者の間で、格好の標的になっているのが、この選挙システム『ドミニオン・投票システム(Dominion Voting System)』

 

一部のニュースサイトでは、この投票システムの動作環境などを公開して、今年の大統領選はとても全てがスムーズにいったという報道もありましたが……

でもこの投票システムを採用していたペンシルベニア州ジョージア州ネバダ州、ノースカロライナ州などでは、最後の最後まで開票が終わりませんでした……同じく採用していたミシガン州ウィスコンシン州では、集計違いがあったことを、州選挙管理委員会が認めたばかり……

 

何が本当なんやろ……

ただもし集計ミスなどが発覚した場合でも、74名にもなる選挙人の数が覆すことができるのか、となると………トランプ氏が現在厳しい状況に置かれていることだけは、間違いなさそうです。

 

 

 

明日はお昼過ぎの出勤予定です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裕坊パイロット日記 11/13

アメリカ国内の地方路線を中心に、小型旅客機に乗っている、裕坊といいます。こんにちは。

日帰りのフライトを今週火曜日と水曜日に済ませて、3日間の連休をいただいています。

 

この時期の休日といえば、秋の落ち葉集め。通常の年ですと気温がかなり冷え込んでシトシトと雨が降る日も多く、落ち葉にもかなりの水分を含んで、それはそれは重労働となるのですが、今年の11月はかなりカラッとした晴天の日が続いて、先週などは連日最高気温20度超え。

 

おかげで作業も捗ったのですが、 実際には愛妻ちゃんが、熊手でかなり落ち葉を数カ所に集めてくれておりました…

 

終わった…

 

2回目もほぼ20袋集めました。

火曜日までは最高気温25度と夏日。半袖Tシャツに短パンという格好で十分作業ができるほどの暖かさ。

 

 

このお休みでは家の外だけでなく、家の中の気になっていたところも修理したり…

実は浴室洗面台の水道栓が緩くなって、水が完全には止まらない状態になっていたので、

 

前回お願いした水道屋さんに来ていただいて、

 

あっという間に新しい蛇口に交換…

30分とかからず終了。さすがはプロ……

 

 

あとは家の中でのんびりの休日……

 

 

ただ昨年までですと、愛妻ちゃんは幼稚園、息子くんも朝早くから学校。週日は家で1人で過ごしていたのですが、コロナウィルスの蔓延とともに生活も変わりました。

 

愛妻ちゃんは退職……

息子くんは今年の授業は全てオンライン……

人の集まりも激減して、最近はほとんどがオンライン……

 

 

中学の頃から、論文にグラフ作成にとパソコンをかなり多用していた息子くん、以前使っていたWindowsのノートパソコンが重くなりすぎて、到底耐えられるレベルでなくなっていたらしく、大学卒業まで使うことを前提に、高校入学後に新しいノートパソコンを購入したのですが、

電気屋さんでは、通常のノートパソコンには、目もくれず……

 

向かっていたのは、ゲーム用途にも十分耐えられる超ハイエンドのパソコンシリーズ。

 

メーカーはMSIという、それまで裕坊は一度も耳にしたことがなかったゲーム専用のパソコンメーカー。

マイクロソフト・フライトシミュレーター2020年度版でさえ耐えうるハイエンド・ゲーム用ノートパソコンを購入。

 

そのノートパソコンをフル活用して、モニターを何台もつなげた上で、教科書を開いたり参考文献を開いたりと、忙しく部屋の中での勉強が続いています。

初期投資は高かったけど(お値段2,200ドル!)、価値はあったかな……

 

 

転ばぬ先の杖かな、それとも禍福は糾える縄の如しかな…………

 

 

ちなみにピアノの個人レッスンも、最近では全てオンライン…

ピアノの横には三脚…

 

 

裕坊もこの休日の間に、確定申告に向けてファイナンシャルプランナーとの電話会談などをしたり、

 

道道場の父母会のボランティアのミーティングをやったりと、

オンラインツールをフル活用。

 

来年年明け早々には、我が社の年次座学研修も入ってきます。3日間の座学研修、こちらもインターネット経由にて…

本来であれば、本社ビル研修室で行われる座学研修。

 

連邦航空局からは、来年3月まで遠隔授業に寄る授業の許可を得ているそうなのですが、

こちらは許可が延長される可能性が非常に高くなってきました。

 

 

最近になって全米で急激に再拡大しているコロナウィルス感染。11月12日(木)には、15万3496名の新規陽性の報告。 ユタ州では入院患者が増えて医師や看護師、医療施設への負担が増えることを懸念して、先日ゲアリー・ハーバート州知事による緊急事態宣言が発令されました。

州全体で、外出時のマスク着用が義務付けが、相当期間延長されることになるそうです。

 

シカゴにおいても、不要不急の外出を自粛するよう、ローリー・ライトフット市長が市民に要請するに至っています。

 

ミシガン州でもここ最近になって、感染が急拡大……

デトロイト周辺の学校では、一時は通常登校へと戻る傾向にあったのですが、オンライン教育へと逆戻りするところが増えていて、デトロイトの市内では2021年1月11日までの公立校の対面式の授業が、全面的に中止されることになりました。新規に陽性と診断される人だけではなく、入院患者が増え、集中治療室における病床占有率が跳ね上がっているのは、懸念材料……

 

 

最近では、救世主としての期待が高いワクチンの話題もたくさん取り上げられるようになりました。特にアメリカで注目が高いのが、米製薬会社ファイザー(本社:ニューヨーク)と独ビオンテック社(本社:ドイツ、マインツ)が共同開発している『90%超に有効』だとされるワクチン。

 

 

現在までにヒトへの使用が承認されたことがないという、mRNAという新しい方法を使っているのが特徴。 従来のワクチンといえば、主なところで例を挙げると、抗原の病原性を低くした生ワクチンであったり(麻疹、風疹、水疱瘡、おたふくかぜ、結核(BCG)など)、抗原から病原性をなくした不活化ワクチンだったり(百日咳、破傷風ジフテリア、インフルエンザ)などが主流でした。

mRNAとはメッセンジャーRNAという意味なんだそうです。

 

従来のワクチンとの大きな違いは、従来型が弱毒化されたり無毒化されたウィルスを体に送り込むのに対し、mRNAの場合は特定の符号を持つ情報細胞を体の中に送り込み、体内におけるタンパク質生成の過程を利用して、免疫反応を誘発するというもの。

体内でのタンパク質生成の際には、まず細胞核でDNAの情報が転写され、その過程でmRNAという単列のリボ核酸に写し取られます。そのmRNAは細胞核から細胞質へと移動。細胞質内のリボソームがmRNAの情報を元にタンパク質に翻訳。

 

mRNAワクチンはこの転写の機能を利用して、細胞内にコロナウィルスに関する情報を写生させ、免疫機能は抗原認識と記憶を行い、ウィルス感染に対する準備をさせるのだとか。

裕坊的には、プロドラッグに近いという印象を受けました(プロドラッグとは、そのままでは体内での薬理作用はなく、体内での代謝の過程で薬理作用が発揮される化学物質へと変化する薬物のことをいいます)。作用機序的には、注目するだけの価値はありそうです。

 

ただファイザー製薬が開発中のワクチンの場合、冷凍保存(−60度)による管理が必要ということですので、製剤化されたとしても開業医などで気軽に受けられる予防接種ということにはならないかも知れません。

治験数自体は、43,000を超えたようですが、治験者が感染環境にいたのかは把握しようがないですし、何を基準に『90%以上に有効』としているのかも、ちょっと分かりにくい面があります。年齢階層別の有効性は現時点では発表されていないですし、今後どれほどの免疫機能による抗原記憶ができるのか、など、まだまだ未知なことだらけ………しばらくは感染を自ら防いだ方がいいことに変わりはなさそうです。

 

 

 

 

もう1日お休みをいただいています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裕坊パイロット日記 11/11

アメリカの地方都市を中心に、小型旅客機に乗る、裕坊といいます。こんにちは。

有給明けの火曜日、水曜日の2日間は、両日とも日帰りのフライトでした。朝の9時出勤で、担当は1往復のみ……しかも終わるの、午後3時……

 

社歴順に希望するスケジュールが決まるアメリカの航空会社にあって(こちらでは、この仕組みをシニオイリティ制度(Seniority)と呼んでいます)一般の会社なら『社長のスケジュール』に相当する『夢のようなフライト』など、まず割り当てられることはない、と思っていたのが……

いつの間にか、そんなフライトが入れられる身分になってしまっていた……

 

地域航空会社の存在とは、アメリカの航空業界にあっては、「最初の経験値を積むための足掛かりとなる」航空会社。よくステッピングストーン(Stepping stone)などとも呼ばれます。ほとんどのパイロットたちは、5年から長くても10年の在籍を目処にして、大手航空会社やサウスウエスト航空ジェットブルー航空などの格安航空会社への転籍を目論みます。

少しでも早く副操縦士から機長へと昇格し、機長時間を1,000時間貯めたところで、大手航空会社に履歴書を送付。

 

晴れて採用が決まると、地域航空会社を離れて「ステップアップ」。

裕坊が現在のエンデバー航空に入社したのは、2006年6月。前身のピナクル航空時代の入社で、研修クラスには裕坊を含めて24名。

 

現在ではそのほとんどが、新しい就職先を見つけて会社を離れています。

同期入社のうち、今もエンデバー航空に残っているのは、裕坊を含めて3名だけ。残り2名のうち1名は休職中で、もう1人はシミュレーターの飛行教官。実は現役で今もCRJシリーズに乗務しているのは、裕坊1人だけということになってしまっています。

 

 

半分ほどは、エンデバー航空の親会社であるデルタ航空の本体に採用されて、そのほとんどがエアバス320型シリーズ(319型、320型、321型の3種類)に乗務。

 

アメリカン航空へ移籍した者もおりますし、

 

サウスウエスト航空へ行った者も1名。

 

ピナクル航空当時の本社があったメンフィスの出身も多くいたことから、メンフィスに本社を置く貨物航空会社の最大手「フェデックス・エクスプレス」にも、6名が新しい就職先として移っていきました。

ちなみにフェデックス社は、パイロットの所属先が外国にもある稀な米系航空会社です。

 

そのうちの1つはドイツのケルン。かつて東西ドイツ分断時代の西ドイツの首都だったボンからも、すぐ近く。

 

フェデックス社のヨーロッパにおける拠点空港になっています。

 

そしてアジアの拠点になっているのが、香港・チェクラップコク国際空港。

 

こちらはアジアの拠点。

香港における不安定な政治情勢の中にあっても、フェデックス社の香港国際空港における貨物取扱量は安定しているようです。裕坊の同期入社のパイロットも、3人が一時期所属しておりました。

 

ちなみに、香港国際空港は貨物取扱量では、世界一を誇ります。

2010年に、フェデックス社の本社があるメンフィス国際空港を抜き去って以来、10年に渡って1位の座を死守。その差は徐々に広がりつつあります……(2017年度の香港国際空港の貨物取扱量505万トン、メンフィス国際空港は433万トン)

 

ただしメンフィス国際空港における貨物取扱量は、そのほとんどがフェデックス社によるもの。一社での1空港における貨物取扱量では、メンフィスは未だに1位の座についており、この牙城はしばらく揺るぎそうにありません。

 

 

そんな大手に移っていった同期入社のパイロットたちも、全員ノースウエスト航空塗装のCRJ−200型機で、航空会社のパイロットとしてのキャリアをスタートしました。

 

提携先だったノースウエスト航空が2010年にデルタ航空として合併、

 

それに伴って我が社(当時のピナクル航空)の塗装も、デルタ仕様になり、

その頃に同期入社の多くが、他社へと移っていきました。

 

裕坊も一度だけ、大手の面接を受けたものの、仕事のオファーには至らず……

乗務する機体もほんの少し全長が長い900型機へと変わって、早や6年……

 

パイロットの社歴年数の平均が10年にも満たない地域航空会社の中にあって、社歴が長い部類にいつの間にか入っておりました。

 

地域航空会社の役割とは、地方路線と大手航空会社の拠点を結ぶことなのですが、人件費が大手航空会社本体に比べると安いことから、利益源の1つにもなっていることが多いです。

その分景気が減退したり、何らかの理由でコストが高くなってくると、大手本体から切られてしまいやすいのも特徴……コロナ禍にあってコスト削減を断行しないといけない昨今、親会社であるデルタ航空保有現金枯渇の回避に必死。ただそんな中、余剰になると見られていた2,000名弱のパイロットたちの2022年1月1日までの雇用維持の保証が、先日デルタ航空パイロット組合の間で締結になりました。これは明るいニュース。

 

 

ただ一方で、アメリカにおけるコロナ感染は、拡大の一途。ウィルス感染が、旅客航空業界にどのように影響するのか、エンデバー航空も存続し続けられるのか……裕坊自身は現在の会社が存続する限り、転籍は今のところ視野には入れていないのですが、それも今後の動向次第。今後の成り行きに注目です。

 

 

火曜日と水曜日の勤務は、全く同じ内容でした。

1往復の担当とはいえ、実は往路は客席に搭乗しての移動。

 

行った先は両日とも、ニューヨーク州の北西部に位置する、サラキュース。

 

折り返しまでに2時間の地上待機があるので、ドーナツ屋さんでコーヒーを買い、

 

1時15分発のデトロイト行きだけが、実質の担当便。

 

ちなみに、デトロイトに到着時のゲートは、火曜日も……

 

水曜日も……

偶然にも、同じA45でした……

 

これが火曜日の到着時の写真…

 

水曜日……

間違い探しみたいやな……

 

大きく違っていたのは、サラキュースでのお天気。

火曜日は空が澄み渡る見事な秋晴れで、外の気温も25度。

 

水曜日は雨がシトシトで、気温も18度に下がっておりました。

この写真なら、間違いたくさん見つけられそうやな〜……

 

到着ゲートのA45に着いて、航空管制塔を飛行機越しに見ながら、

お昼下がりの3時には家路に着いておりました。今はお仕事がいただけることに感謝です。

 

 

 

3日間お休みをいただいて、日曜日に次の出勤を予定しています。

 

 

 

 

 

 

 

11月10日(火)担当便

デルタ4747便(EDV 4747)サラキュース(SYR)−デトロイト(DTW)

11月11日(水)担当便

デルタ4747便(EDV 4747)サラキュース(SYR)−デトロイト(DTW)

 

裕坊パイロット日記 11/9

アメリカの地域航空会社に勤める小型機操縦士、裕坊といいます。こんにちは。

今月は合計で3週間ある有給休暇のうちの、2週間分をいただいています。今日月曜日は、前半の1週間のうちの最後のお休み。

 

この1週間には、航空身体検査を更新したり…

 

漏れがあった水道管を直したり、

管ごと新しくする作業だったのですが、さすがはプロというべき早技……ものの10分とかからず終わっておりました…

 

友人の結婚の法的手続きの立ち会いまで務めてきました。

 

しかも行っていたのは裁判所…

こんなところで手続きできるのも、アメリカらしい……

 

 

そして待ちに待ったものも届きました。

修理に出していたヘッドセット。初期版は廃番になっていたらしく、ほんの少し新しい型へと格上げ…

 

箱の中身を開けると、

待ちに待った愛用のヘッドセット、デビッド・クラーク社製のDC−Pro X。

 

第2版になっておりました。

初期型は新品で700ドル……第2版は800ドル…

 

ヤフオクアメリカ版のようなeBayと呼ばれるサイトで、5年ほど前に購入しました。

その時の購入金額550ドル…もう元はしっかりと取った、と十分いえるくらいに頑張ってくれています。ジェット機で比較的長時間乗務することを前提にして作られているヘッドセットですので、耳当てがやや小さめ。その分頭の締め付けが緩めなのが特徴…

 

ちなみに我がエンデバー航空には、飛行教官を長らく務めてやってくるパイロットが多くいるのですが、その元飛行教官の間で人気なのがこちら。ヘッドホンで有名なボウズの航空機版、ボウズA20。

それまで使っていたヘッドセット(テレックス750シリーズ)が故障し、翌日配達が可能なヘッドセットを探していて、裕坊も購入しました。お値段なんと、

 

 

1,100ドル(税抜き)………

 

 

まだ副操縦士だった頃で、お給料は当時年間25,000ドル…現金やデビットカードなどで買う余裕などあるはずもなく、クレジットカードで当然のことながら分割払い……

 

さすがボウズだけあって、騒音軽減機能はハンパないです。乾電池を2個入れて、スイッチをオンにした途端………

騒音が…………

 

 

 

 

『消えます』……………

 

 

 

 

騒音軽減などというハンパなものではなく、完全に消し切る完璧さ……「騒音よ、どこへ隠れたんや」って気分に本当になります……ですので、1,100ドルの価値は大いにあり……ただ耳を完全に覆ってしまう大きさなので、長時間使っていると耳への圧力はややきつめ……テレックス750を買い直ししてからは、そちらをしばらく使っておりました。

2014年には、50人乗りのCRJ200型機から、76人乗りのCRJ900型機へと移行。機能はほとんど両機種とも似たようなものなのですが、実はCRJ900型機には、与圧装置が噴き出す空気の再循環装置がついていて、特に機長席周辺での騒音が大きめなので、耳当てが小さめの騒音軽減機能付きヘッドセットを探すことになり、

 

ドイツのセンハイザー製を見つけて、一時期はそちらを愛用…

ところがセンハイザー社の航空機用ヘッドセットからの撤退が決まって、改めて騒音軽減機能付きヘッドセットを探すことになり、現在のデビッド・クラーク社製に辿り着いて、ほぼ5年間ずっと愛用しています。

 

 

明日のフライトに、なんとか間に合った……

 

 

フライトへと出発する前に、散髪もなんとか終わって……

 

こちらではバリカンを使って、後ろと横とをスッキリさせて、

ものの10分もあれば散髪終了。お値段15ドル…

 

 

散髪も間に合った……

 

 

 

先日結婚したばかりの友人とは、結婚の当日にお祝いを兼ねてお寿司などを食べに行っていたのですが、

 

ちなみにアナーバーと呼ばれる、その日本食屋さんがある街では、

 

クリスマスに向けて電飾は既に始まっています。

 

実はその翌日、ミシガン州オハイオ州の州の境のすぐ南にある、トリードという町にも繰り出しておりました。

裕坊の家からですと、ちょうど1時間くらい。ミシガン州在住の方なら75号線(275号線から合流)を南へと下って、トリードの工場の煙突が見え始めた頃にフリーウェイを降りるとすぐ。

 

目指すはトリードのダウンタウンの、やや外れにある「謙吾(Kengo)」という名前の日本食屋さん。

 

週末とあって人影はまばら…

 

すぐ近くには、マイナーリーグの野球場もあります。ちなみに今年はマイナーリーグは全試合中止。

 

そこから2ブロックほど。

煉瓦建ての建物に「謙吾」の文字。

 

座席は20もないカウンター席中心のこじんまりとしたお店で、入り口のガラスに名前を記入して順番を待ちます。

開店は午後5時からなので、開店前に並んでおいた方がいいかも知れません。

 

こちらがお寿司を握っていた職人の方達。こちらにはカウンター席に4人座れるスペースがあります。

 

メニューの中心はお寿司と焼き鳥。あとはお茶漬けなどと、かなりシンプル。

当日はお寿司2種類に、焼き鳥を10種類ほどを注文してみました。

 

まず出てきたのが、中トロ。

そこで食べた感想……

 

 

 

 

 

うわぁ〜〜〜〜〜、こんな本物のお寿司が、オハイオのこんなとこで食べられるんやぁ〜〜……

 

 

 

 

 

オハイオまで、車で1時間かけてきただけの甲斐はあった……と本気で思えてしまう完璧さ……

前日に訪れていた「スラーピング・タートル(Slurping Turtle)」も完璧なのですが、「謙吾」でのこだわりぶりは、参りました、と言いたくなるくらいの完璧さ加減でした。恐れ入りました……

 

焼き鳥も完璧なお味……豚バラにアスパラ巻き、

 

ツクネ…

 

ネギマなども、炭火の香りがよかったです。

 

焼き物の中で裕坊的に絶賛したくなったのは、

牛ロース肉(メニューの中では、リブアイと書かれています)に、

 

手羽、こちらも焼き加減へのこだわりが感じられました。

どれを注文しても、裏切られることはないです。

 

そして息子くんのご希望に応えて、こんなものまで注文して締めました。

ウニ……こちらも絶品でした。

 

お酒が入って、愛妻ちゃんはさらにゴキゲンになって、「いつも以上に」饒舌になっておりました。

 

すっかりと暗くなるまで、楽しいひと時を過ごして、

 

 

 

 

火曜日と水曜日は、両日とも日帰りのフライトです。